マサイ先輩と私の出会いは、
もう少し前の話になる。
高校に入ったら、絶対吹奏楽部に入る!
そう決めていた私は、吹奏楽部に仮入部した。
しかし、何の楽器をやるかに悩んでいた。
王道はトランペットやクラなのだろうけど、
中学からの経験者も多く、とても争えなさそうだ。
色々なパートを見てみようと、私は歩き回った。
その間、一度ホルンを吹いてみたけれど、
マウスピースの形が複雑で音なんか出なかった。
少し落ち込みながら、歩いていると
近くから楽器の音らしい優しい音色が聞こえた。
急いで、音の聞こえる方に走って行くと、
一人の男の先輩が楽器を吹いていた。
その先輩は私に気がつくと、少し驚いた。
自分でもびっくりした。
名前も知らない様な楽器なのに、
先輩の吹くこの楽器の音色に、私は一目惚れした。
その先輩は飛び上がらんばかりの勢いで、
凄く足をジタバタさせていた。
そこから、マサイ先輩からユーフォの指導を受け
私は無事、ユーフォを担当させて頂く事になった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。