秀太side
俺は、
守れなかった。
自分が先に死んでしまうなんて
考えても見なかった。
まさか。
まさか。
そんな3文字が脳裏をよぎる。
ご飯も食べなくなって
毎日寝たきりで
副作用で何回も吐いて
俺じゃダメなんだとか
別れたいとか
何度も思った
強気でしおでいた俺が
一気に崩れてく、
自分が守られる側になってしまった、
支えられる側に、
助けられる側に、
なんにでも「られる」が付いてしまう、
「たい」、 それはもうできなくなったのだ
迷った。
メンバーに言うか、迷った。
言ったら、ガッカリされるし
メンバー解散するかもしれない
言わなかったら、
迷惑をかけ続け自分も危ないかもしれない
...
言おう。
プルルルルル 📲
ガチャ📲
笑ってしまった、
もうどうすることもできない
訳も分からず笑ってしまった。
ガチャ🚪
ガチャ🚪
バタンッ🚪
バタンッ🚪
顔をそむけて、目をつぶる
バタンッ🚪
それから秀太は
人が変わったかのように
暗くなり喋らなくなり
人がいることを嫌い、
なんでもマイナスに考え
情緒不安定になった。
リーダーの家。
「クソッ!」 にっしーはそう呟いた
...
バタンッ🚪
ピピピ、ピピピ、
心電図の音が鳴り響く
そうだ、ここは
離れていても
あいつと同じ部屋、
...
顔を横にそむけたまんま
そう答えた
、聞こえてくる
あの人の声。
嫌で、聞きたくない
でも、どこか懐かしいあの声
また、話したい
でも、きっと無理なんだ。
もう、好きじゃないんだ
もう、忘れよう
もう、諦めよう、
涙が
溢れてくる
なんで、?
なんで.....。
もう、...
...
好き 。
好きなんだ、あの人のことが。
自分が馬鹿だった。
あんなことを言った自分が馬鹿だった。
大事な人を苦しめたのは自分なのに、.。
私のこと心配しろ、...って。...
まだおもっててくれた、
嫌いになってなんかいないんだ
ひどいことを言ったのに
好きなまんまでいてくれた
...
1粒、2粒と 涙がこぼれ落ちて行く
そう言って頭を撫でてくれた
微笑んでだっちゃんは言った
そう言って涙を拭いてくれた、
そうして、
私たち、僕達の
関係は
だっちゃんや他のメンバーのお陰で
元通りになった。
いや、元通り以上になったかもしれない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。