長尾side
月曜も火曜も普通にあなたが来てくれて、普通にいつも通り、平常な生活を送れてて幸せやった。
なんか、青春をしたなぁって言う。笑
なのに今日はあなたは来てない。
今日からついに抗がん剤治療を始めるらしい。ホンマに、なんであなたが病気になってしまったんやろ、
ずっとずーっと考えていた。
授業中も授業そっちのけであなたのこと考えてた。
点滴だってさ。あなた注射とか大っ嫌いやのに。点滴なんて耐えられるんかな、笑
先生「おい!!長尾!!こっちの世界に戻ってこい!!おーい!!」
『あ、あ、は、はい!!』
先生「なんの話してたか聞いてたか?」
『抗がん剤』
先生「ぼけっとしすぎやろ、笑あなたんとこ行くか?」
『行きます!!』
先生「校長にバレんように行きや」
『は、はい!!ありがとうございます!!』
先生がやさしくってよかったなって、
あなた、まってろよ!!!!
『あなた!!あなた!、』
藤井「え、謙杜?」
『大丈夫?点滴痛いなぁ。我慢しぃや。頑張ってな。』
藤井「そんな子供ちゃうし、笑」
『調べてたんやけど副作用で投薬日には腹痛とか吐き気とかあるらしいで明日もな』
藤井「明日Popteenの撮影や」
『はい。残念。欠席ですね。』
藤井「もぉ!、」
その日は夜まで話し続けたね。笑
あなた頑張れよ。って言ってから帰ってさ、
あなた僕の前では苦しい顔しないから、心配してるんやで。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。