中島side
リバビリの期間も終わりに近づいてきて、今日はやっと表舞台に立てる日
ライブはまだ出来ないし、ダンスをするってこともない
普通のバラエティー番組で座って話をするだけ
座ってるのは全然余裕だけど、立ち上がる時と座る時は少し時間が必要
でも、今回はメンバーと一緒に出演するからそんな心配はしなくていいんだけどね
佐藤「健人くん、松葉杖にする?車椅子にする?」
そう、今の俺の移動手段はその二つのうちのどちらか
近場だったら、自力で歩くんだけどね
「松葉杖にする!」
佐藤「はい、りょーかい!」
階段もなんもないし、障害物もないから練習のためにも松葉杖で
松島「ぜんっりょくでサポートするから!」
「ん、ありがと笑」
マリ「僕にも頼ってよ!?」
「はい、ありがとう」
菊池「無理したら、焼肉奢りで」
「やだよ、それ」
菊池「じゃあしなければいいだろ」
俺の気持ちを見透かすように、言ってくる菊池
俺の不安な気持ちを、笑いに変えてくれるのはいつもコイツ
「ありがとね」
聞こえてないかもだけど、俺が思ってる言葉
面と向かってなかなか言えないけど、ほんとにいつも感謝してるから
そして、見事に復帰後初のバラエティー番組は、共演者の皆も気を遣ってくださって、難なく撮影は終了
そして、改めて人の優しさに気づいた出来事だった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。