岩本side
微かに俺を呼ぶ声が聞こえて 、扉を開けてみればふっかが壁に凭れながら蹲ってて
顔を覗き込めば冷や汗すごいしめちゃくちゃしんどそうで
お腹を抱え込んでる辺り 、腹痛いのかなーって思ってトイレに連れてきた
「 ふっかどーする?? 」
「 俺一緒にここいたほうがいい?? 」
ふっかの場合恥ずかしいとかじゃなくて 、迷惑かけたくないってほうで断ってくると思うけど
深澤「 1人っ 」
ほらね
「 ん 、わかった 」
「 なんかあったら絶対呼べよ?? 」
深澤「 ((コクッ 」
頷いたのを見てトイレを出るも 、中から苦しそうな声と水の跳ねる音 音が聞こえる
相当腹下してるっぽいからあったかいものでも買うかって思って 、少し先にある自販機へ
「 これでいっかな 」
ふっかがいっつも飲んでるココア
これまっじうめぇー!! とか言いながらいつも飲んでるから選択は間違ってないと思う
あったかいもので 、少しは腹の調子が良くなればいいけど
少しすれば聞こえてきた水の流れる音
暫く出てこないいってことは 、まだ落ち着いてないってことかな
「 ふっか?? 落ち着いてきたら出てきなね 」
一声掛けたんだけど何も戻ってこない返事
「 ふっか?? 大丈夫?? 」
2度目の声かけにも全く
「 ふっかー?? 」
「 ごめんね 、開けるね 」
3度目の返事にも反応しなかったから 、さっき鍵を開けておいてもらったことを好都合に扉を開ければ 、ぐったりしてるふっかが
「 ふっか?? ふっか大丈夫?? 」
深澤「 んんぅ…ひかる…はら 、いたい 」
よかった 、意識はあるみたい
「 ふっか 、楽屋戻ろ 」
深澤「 …きもちわるいっ 」
「 吐きそうな気持ち悪い?? 」
深澤「 ((コクッ 」
「 ちょっと掴まって 」
気持ち悪いって言うのは予想外だったけど 、吐きそうならちゃんと吐かせてあげねーと
「 いいよ 、出しちゃいな 」
深澤「 んえっ…げほっげほっおえっ 」
「 大丈夫大丈夫 」
吐きやすいように背中を摩ってあげつつ 、舘さんに連絡
直ぐに既読がついて 、すぐ行く って返事が来た
「 ふっか 、病院行こう…な?? 」
深澤「 …んっはぁっ…行きたいっ 」
「 な 、行きたいよな 」
「 落ち着き次第すぐに行こう 」
ふっか自身も相当苦しいのか 、早く病院に行って楽になりたい って
そりゃそーだよな
少しすれば舘さんが来てくれて 、一緒に病院行くことに
マネージャーも出るだけ急いで病院に向かってくれて 、近くにある病院に数分で着くことが出来た
診断結果はストレス製の胃腸炎
ウイルス性ではないことは不幸中の幸い
点滴を打ってもらって 、さっきよりかは楽そうなふっか
まだ治るのに数日はかかるらしいから 、がんばーろねふっか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!