夜ご飯を食べ終わり、お風呂にも入り終わった。
部屋を案内してもらい、部屋に入ると、
と、思わずこぼれてしまうような部屋だった。
窓を開けると、星空が広がっていた。
ここは地球のどこかなのか、別の惑星なのか、2次元なのか、全部私の夢なのか……
そんな事を考える。
何故か星空を見ると、考え事をしてしまう。
小さな事じゃなくて、大きな事。
例えば、私の人生はこれでいいのか。将来どんな仕事につくのか。
昔からそうだ。星空を見ると、ワクワクするけど、どこか寂しいような、切ないような……そんな気持ちになる。
星を見ながら物思いにふけっていると、「コンコン」というノックの音。
あ、誰かも分からないのにどうぞって言っちゃまずかったかな……
そんな事を考えているうちに、ドアが開く。
私が少し大きな声で言うと、鈴華は唇に指をあて、「静かに」というジェスチャーをする。
今は恐らく夜の11時頃。いつもならもう夢の中だ。
どうやら眠れないのは鈴華も同じみたいだ。
そして暫く沈黙が続く。
気まずいので何か話題を……!
そう思い、独り言のように呟いた。
すると、
えー!知らなかったぁ……
2人で星を見ながら少し盛り上がっていると、また「コンコン」とノックの音。
すると少しドアが開き、チラッと顔が見える。
すると皆私の方へ集まってくる。
珍しく花霞が少し暗い声でそう言う。
「失格だよね」
と言おうとすると、鈴華に突然ほっぺたを引っ張られた。
私が黙っていると、鈴華はそのまま続ける。
鈴華はやっと手を離し、私を見つめる。
私が感動していると、
私が困惑していると、鈴華が「はぁ……」と溜息をつき、私に向き直る。
私がそう言うと、皆が笑う。皆、笑ってる。
そっか……私はこれでいいんだ。
そして皆で笑っていると、恋が
皆が鈴華に注目する。
鈴華は「参った!」と言う感じで少し笑う。
皆は静かに鈴華の話を聞こうとする。
「パリピな集団」っていうのに笑いそうになるが、こらえる。
鈴華の目から涙が零れる。
言葉が所々つっかえる。
2、3人か……
花霞が笑顔で物騒なことを口にする。
皆が少し笑い、場が和む。
そして私達は眠りに落ちた。
でもこの一部始終を見ている者が居た。
その時、私達はまだ気づいていなかった。
この世界を大きく揺るがす異変が今、起こっているということを……
さあ、この先一体どうなるのだろうか……
……これはまだ、始まりに過ぎない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。