放課後のコンビニバイト。
袋に商品を詰めている間にチャリンと、相手がお金を出す。
相手に袋を渡してからレジを打ち、お釣りを返し、見送る。
ガチャン、と待機室からドアが閉まる音がする。
ん?
『 なんでいるの? 』
俺が聞きたいっす。
この人は望月双葉さん。バイトでも人生でも俺より先輩だ。
と、時計を確かめて伝える。
『 時間間違えちゃったなぁ…まぁいいや。
優くんも早く帰れて、結果よければ全て良し。』
ですよねぇ…双葉さん、しっかりしてそうに見えて、
どっかぬけてるとこあんだよなぁ、謎にポジティブだし、笑
30分だし、給料もあんま変わんねぇからいっか。
ラッキー、ラッキー。
制服に着替えて、イヤホンつけて、コンビニを出る。
ー
ーー
ーーー
自転車に跨りながら、信号が青になるのを待っていると、
と、声をかけられる。
げ……今日来てねぇと思ったけど…、
つけていた片方のイヤホンを外す。
『 優にレジして欲しかった…』
手を見ると袋が握られている。
なんか、ごめん。てか、呼び捨てかよ。
信号が青になり、向こう側に渡ると
スタスタ奏斗も着いてくる。
『 こっち来るの見えたから… 』
着いてきたのか…お前ストーカー気質なのか、?
自転車から降りて、奏斗と歩く。
…うん。ほんとに何しに来たんだ?
ちゃっかり明日の予定まで…上手いことのせられたな。
ー
ーー
ーーー
近くのお寿司屋さんに足を運ぶ。
『 優と2人きり…何話そかな。
質問ばっかじゃ面倒くさがられるだろうし。 』
ごめん、相手が俺で。
全部丸聞こえなんだわ、すぐ近くにあるラーメン店なら
カウンター席で目合わさずに済んだけど。
まぁ…ここまで勝手に関心持ってくるやつ初めてだしな。
度が過ぎるけど…イケメンだからか不思議と嫌ではない。
表情に出ねぇのが怖いくらいか、
『 笑った…✨』
笑うだろ、考えに考えて出た言葉質問じゃねぇか 笑
『 そ…か。俺と食いに来てるのも嫌かな 』
別に死ぬほど嫌じゃねぇけど。
ちょっとからかってやるか、
そんなどストレートに来るか普通…
狼だと思ってたが、見た目だけか。
って、俺が焦ってどうすんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。