悠太に泊まりに行っていいか聞かれ、
それからなんだかんだあり……。
結局悠太は泊まりに来ることになった。
そして今日、心の整理がつかないまま
とうとう約束した日になってしまった。
悠太はあと一時間後に来るが、俺は未だに
部屋をピカピカにしようと粘っている。
悠太がうちに来ることは珍しくないのに、
泊まりで来るとなると変に意識してしまう。
「よし……これでいいか…」
やっと最後の床磨きを終え、
俺はホコリまみれになった自分の体を綺麗に
しようとお風呂場に向かった。
幸い悠太が来る時間まであと30分ほどある。
そして悠太はいつも遅れてくるので、
シャワーを浴びる時間はたっぷりあった。
それをいいことに、お風呂から出たあとに
いつもはしない髪の毛のセット、
更には香水をつけたりして部屋も自分も
完璧に整えた。
洗面所での完璧な身支度を終えたあと、
ふぅ~…と息をつきながら自分の部屋に戻った。
いつもなら部屋の掃除なんて母親に任せていて、
大掃除なんてものはお正月くらいしかしなかったので
流石に疲れた。
それに昨日の夜、次の日の事を考えすぎて
ろくに寝られなかった。
自分の部屋に戻り、ベッドにダイブした途端、
その疲れと寝不足が一気にきて、
深い眠りについてしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。