二人で暮らした日々も、
楽しかったこと辛かったこと分け合ったことも、
全部俺しか知らない。
自分だけが置いていかれてしまったようで、悲しかった。
それでも、やっぱり好きなのは変わらないようだ。
次の日も。その次の日も待てど、真の記憶は恐らく戻っていない。
話しかければ話しかける程、忘れられてるんだというショックがでかすぎて、もう一度関係を作り直す余力が無い。
ぼんやりとそんなことを思う。
その時。僕はぼんやりしていたからか、階段を踏み外してしまった。
キュッと目を閉じた。
やがて痛みと衝撃が来るのだろう。
衝撃はあっても、痛みがない。
嘘嘘嘘嘘やばいやばいやばいやばい顔が良すぎるかっこいいかっこいいかっこいい好き!!
僕は真にお姫様抱っこの形で抱き抱えられていた。
好きすぎるあまり赤面+色々な情報が多すぎて上手く喋れない。
くうううううそんなイケメンスマイルに抗える筈ないじゃないですかああああ!!
よっしゃ!この関係、もう一度修復したる!やったる!!!
なんか調子出てきたあ!
ちなみに、この後お姫様抱っこのままいって暫く校内でカップル扱いされました
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!