_響Ver.__
写真部は次のコンクールで3年生引退。
だから今回は優勝を狙っていきたい。
けど…
俺がわざわざコイツに付き添う意味なんてない。
周りの奴らはそう思うだろうけど。
……俺はコイツと一緒にいたいんだ。
コイツは気づいてないだろうけど。
本当にお題を決めるの後苦手らしい。
ただ好きなものを撮ればいいだけなのに。
コイツは時々こうなる。
言いたいことは全て言って欲しい。
俺はあまり…察するのが得意じゃない。
だから…
………焦れったい…
結局言わないのか…
まぁ、いいか。
俺もコイツに隠してることはたくさんある。
…嘘に決まってる。
梨央奈はビショビショの状態でとても寒そうにしていた。
カイロを渡した時はすげぇ嬉しそうな顔してたな。
俺だって
寂しいんだよ。
_梨央奈Ver.__
こちらを向いてる響さんの顔は…
呆れ顔でも怒ってる顔でもない。
いつも見せないような…寂しそうな顔。
どうして…そんな顔してるんですか。
寂しいのは私だけのはずなのに…
なのに…どうして……
最初の間はなんだったのかは聞かなかった。
けど…理由がそれでも……
嬉しいんです。
今 「可愛い」って!?
これ以上聞いたら怒られそうだから聞かないけど…
今日は…すごく幸せな言葉をたくさん聞けたな。
(。-ω-。)----------キリトリ線----------(。-ω-。)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。