前の話
一覧へ
次の話

第1話

1、はじめ
110
2018/08/30 10:52
              1はじめ

抜け出せない闇の中。
そこに一筋の光が差し込んできた。
「でもやめられない」
もう戻れない。運命というものは変えられない。

# #

「逃げろーー、あいつ、あいつが来るぞ…」
三人の男が息を荒らげながら走っていく。
「もう大丈夫だろ」
「そうだな、兄貴」
「初めてだろう、あのバケモノから逃げるって」
ここは、朝でも夜でも暗く人気の無い場所だ。
三人の顔にだんだん笑顔が浮き上がってきた。その時…ドサッ
空から何かが降ってきた。
3人は驚いて振り返った。
「……」
「…誰だっ」
「私から逃げれたですって…笑わせないで、フフフ」
三人の男は目を丸くし、数秒後、顔は青ざめていた。
バサッ…男の1人倒れた、また1人と。
「やめろ、助けてくれぇーー」
男は必死に叫んだ。
「「助けてくれ」お前みたいなやつ誰も助けてくれないよ」
グサッ、最後のひとりも殺された。
「私から逃げるなんて、100年はやいわ」
「やっぱり鳳は、強いな」
隣に立っていた、神木龍が言った。
「龍、お前が弱いだけだ。」
2人はすぐその場を離れていった。


※※※※※※


ガチャ
「…っ、誰だ」
望という男は叫んだ。
「「誰だ」?誰に向かって言っている」
その正体は鳳だった。
鳳は、機嫌悪そうに言った。
「鳳様、申し訳ありません。ほら謝れ」
「えっ…申し訳ありません。」
望の隣にいた男が、青ざめたかおで頭を下げていた。
望は、まだ鳳の姿を見たことがなく、初めて見たのだった。
鳳と龍は、ある部屋に向かった。
「今帰ったよ。お父様」
「ボス、任務完了です!!」
ボスと呼ばれる男は、鳳の父、影月武蔵。今は、スパイ、殺し屋、情報屋
の組織、「闇」のトップで鳳が後継者なのだ。
「鳳、帰ってきて早々悪いが、次の仕事頼んでいいか?」
「また、殺し?」
鳳は、小さい頃からプロの殺し屋だった。だが、あまり人を殺すのが好きではなかった。
「いや、違う。スパイだ。」
「それは、俺もですか?」
龍は、鳳のパートナーとしていつも隣にいた。
「いや、お前はもう16だ。違う仕事をしてもらう。」
「ホントっすか!」
龍は嬉しかった。鳳と同じ年なのに、いつも子供扱いされたからだ。
(このいい機会を無駄にするもんか。)
「場所は?」
「後で、資料を渡す。」
部屋の外にいた、部下達は、新人の望に、説明していた。
「あの鳳っていう人は何者?」
「鳳様は、お前と同じ16歳で、3歳の頃から殺し屋の仕事をしていて、10歳の時人を初めて殺した。」
組織の中の1人が長々と望に鳳のことを詳しく説明した。
(鳳はつまり俺達の世界の中でトップを争う人なのか。)
「望、この資料、鳳様にもっていけ。その代わり「鳳様」と呼べよ」
はいはい、と言いながら望は部屋に向かった。
家には、色んなものがある。事務所として使ってる部屋や、仲間の部屋など、だから望には、迷路みたいな家だった。
そしてやっと鳳の部屋の前に来た。
(やっぱりでかい部屋だな。)
「失礼します。資料を持って来ました、…鳳様。」
「ありがとう。」
「っ…」
資料には、

名前 歳
光月 豹 16歳高校1年

会社
大手企業

仕事…スパイ「資料を盗む」

その頃、望は考えていた。
さっきのドキドキは何だったのだろうか?っと
「お前の名は?」
「か、神山望です…」
「望、明日海雲クリスタル学園の制服が届く
、だから取りに行け。」
海雲クリスタル学園は、次期社長や、芸能人などお金持ちの子供が来る学校だ。
そして次の日。
「受け取り場所は、ここだよな…」
そこは、凄く高そうな洋服が置いてある店だった。
こんな所で制服作るってどんだけ高いんだよ、そう言いながら、望は受付の方に歩いていった。
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
「あ、あの」

(なんて言えばいいんだ…考えてなかった)
望むがパニックになりかけていると
「海雲クリスタル学園の制服を頼んだんですけど」
「あっ、そうでございましたか。桜米鳳様で宜しいでしょうか?」
「はい!」
そうして、制服や、必要品を受け取ったあと転入の手続きをした。
「明日からこの制服とローファー、バッグは絶対持っていくこと」
「えっ、こんな高そうなもの…」
(使えれわけない。こんな俺が…)
「金の心配はしなくていい。
私たちのは本当に会社を建ててるから」
(そうなんだ。この家の家族は何でもできるんだな。)
「あと、ネックレス、指輪、ピアスどれか一つ毎日付けること」
「何で?」
「私の会社はトップを争う会社だから、トップクラスの私たちはアクセサリーを付けるんだ。
男子はこの三つから、女子は男子より多くて、イヤリング、カチューシャ、ピンのどれかを付けていいんだ」
(そうなんだ。
あれこれどういうことだ…さくらま…)
「あの桜米って誰っすか?」
「ああ言うの忘れてた、私と望は桜米として学校に行く」
そうして学校に行く日になったのだった。

プリ小説オーディオドラマ