和也side
謙「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪」
カエルのレインコートを着て黄色い傘をさしながら楽しそうに歌って前を歩いているけんちゃん
駿「………」
一方でペンギンのレインコートを着てトボトボ歩いているのは駿
この二人の温度差よ
今日は保育園ではなくて俺の大学に向かっている
っていうのは、コロナで保育園が閉まり濃厚接触者ではない二人は行き場所がなく俺も大事な授業が1限あった為、仕方なく連れてきた。
けんちゃんは大学が楽しみであることと、雨が大好きであることが重なり上機嫌なのだ
一方の駿は水が苦手で雨で濡れるのが嫌で機嫌が悪い
謙「しゅん!大学ってとこ楽しみだね」
駿「………ね」
謙「大きいとこだって!」
駿「……へぇー」
謙「駿といっぱい遊びたい!」
駿「うん!あそぶ!!!」
お!のってきた!!
さすが、けんちゃん。こういう時に雰囲気変えるのが上手やな
駿も少し気分が乗ってきたようでけんちゃんと手を繋いで歩いていく
大学到着____
小さい双子がレインコートを着て歩いていたら流石に目立つ
「かわいいー♡」
「双子ちゃんやん♡」
皆の注目を浴びてもお構いなしにルンルン突き進むけんちゃん
駿はたくさんの人に圧倒されている
和「ほら、二人とも!迷子にならないように手つなぐよ!」
駿/謙「はーい!!!」
右手は駿、左手は謙ちゃんの手をしっかりと握りしめ教室までの道のりを歩いていく
In教室
ガラガラ
扉を開けると皆の視線がこちらへ向く
駿/謙 ビクッ
二人ともビビッて俺の後ろに隠れている
和「大丈夫やでー」
二人の頭を撫でていたら
友達A「よ!きたか!」
友達B「待ってたで!」
和「俺が授業の間よろしくな」
友達A/B「おう!任せとけ!」
和「駿、謙ちゃん。このお兄ちゃんと待っててられる?」
謙「いいよ!」
駿「……知らない人」
駿は警戒している
和「しゅん、大丈夫。お兄ちゃんの友だちやからな?」
駿「うん」
和「じゃあ、よろしく!またな!!」
友達A「いこか!」
謙「和にぃもいっちょ!」
……え?
和「謙ちゃん、お兄ちゃんは今から授業あるから一緒に行けないねん。このお兄ちゃんと駿とで待っててな?」
謙「や!!!和にぃもいっちょ……ッグス…ふえ」
和「あー--!けんちゃん!すぐ終わるから…な?」
謙「やらぁ!……いっちょ…うあぁぁぁぁん」
駿「けんちゃん…にぃに、困ってるよ?」
謙「らって…にぃといたい」
駿「…謙ちゃん、ぼくがいるよ?」
謙「…ふえ…ッグス…まってる…」
駿「手繋ご?」
謙「う、うん…和にぃ…またね」
小さく手を振りながら教室を後にした
和「ああああ!!!!!俺も行きたい!!!心苦しい!!!!」
友達C「心の声駄々洩れやで?」
和「やって、かわええねんもん」
友達C「確かにかわええな」
和「やろ?!」
チャイムが鳴り授業が始まった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。