紫耀side
大吾の言葉が、聞こえなかったことにして
今の俺が出せる精一杯のスピードで楽屋にむかう
楽屋の前まで来て、周りを確認する
来てないことを確認して楽屋に入る
しばらく、楽屋で痛みを逸らそうとスマホを見てると
ドアがコンコンとなった。スタッフさんかな?と思って
開けてみると、大吾が立っていた
とりあえず、なんのこと?っていうていで通してみる
さすがに無理だったか…
強行突破しよう、と思って大きめな声を出したら
腹痛が襲ってきてしまった。
あまりにも激痛で、耐えないと。と思っていた時にはもう遅く、声を出してしまっていた
それと同時に立っているのも限界で床に座り込んだ
バレたくなかったのに、
今すぐにでもこの痛みから解放されたくて、
気がついたら、もうバレてもいいから、たすけて
と思うようになっていた
大吾side
楽屋挨拶に来た時から、顔色がおかしかった紫耀
本人はなんもないですよみたいな、顔してたし
相葉くんたちも気がついてなかったみたいだったから
気のせいだということを願って様子を見ることにした
楽屋から別れた時は、勘違いだよね。よかった。と思っていた
でもしばらくして、トイレであった紫耀は
さっきと区別にならないくらい顔色が最悪で、
逃げる時もお腹と口を押えて出ていった。
気のせいじゃなかったのか、と思いながら
絶対きついだろうから、支えないと。と思った
紫耀はあとで追いかけようと思いながら
俺もトイレをしに来たことを思い出し、
トイレを済ませてから紫耀の楽屋にむかった
スタッフさんらしくノックして楽屋を開けてもらった
楽屋のドアを開けた紫耀の顔色は、青白くて
ホンマに生きてるんか?と疑いたくなるぐらいの
顔色だった
話をしていると突然紫耀が苦しみ始めた。
俺はどうすることも出来なくて、
背中をさすったり、声をかけたり、
することしか出来なかった
紫耀のこんなに痛がってる姿は初めて見て
俺は軽くパニックになっていた
紫耀がこんなに苦しがっているのに、
俺まで不安そうにしてたらもっと不安になってしまうと思った
落ち着け。と心の中で自分に言い聞かせて冷静になる
床だと痛いし冷たいと思い、抱っこしてソファまで運ぶことにした
抱きあげようと、紫耀の背中に手を回すと、
ジュワッと音がするぐらい熱くて、
すぐに高熱があることが分かった
こういう時どうしたらいか分からない俺は
ソファに寝ている紫耀の背中をさすりながらスマホを操る
トーク画面
『風磨くん』
風磨くんに相談すると来てくれるらしくて、
風磨くんに言われた通り
いたがってる紫耀の背中をさすって風磨くんを待つ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。