学校帰りひとり歩きながらふと、思い出した。
そういえば、小学生の頃までは当たり前にこの道を兄と帰っていた。殆ど兄は喋らないけれどいるだけで安心感があるような、そんな感じがしていた。
だけど、ある時から用事なんてゲーム以外殆どないはずだったのに、私よりゲームを優先させるほどではなかったはずなのに、一緒に帰ることを断るようになった。いままで当たり前だったのに、急に。
兄のことは嫌いではなかったし、むしろすきなほうだった。
兄に嫌われたのかなってすごくショックだった。
あまり、感情が伝わってこないし何考えてるのか全然わたしにはさっぱりわからない。
私のことを好いているのか嫌っているのかもわからない。
一緒に帰らなくなって、心なしか素っ気なくなっただけで大して日常生活に変わりはなかった。
無視されたりする訳では無いし嫌われたのかはっきりわからない。
取り敢えず兄に直接言うほどのことではないと思って黙って過ごしているけど...
うーん...
なんだっけ、名前だけ聞いたことあるんだけど...
誰だったかな。
全然ついていけない、どうしよ
そういえば、テンパりすぎてどの人か見てなかったどんな人だろう??
あの頃から気の所為かもしれないけれど、
兄に近寄り難い。
まあ、無愛想になった訳では無いんだけれど
でも、なんとなく距離を感じていてすこし躊躇う。
確かに、兄に怖がることは無いよね...
近づいてみよ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。