目が覚めたらまず口元の違和感を覚えた
天井は白くどこか分からない
左腕にはたくさんの点滴が着いていた
頭が回らないまま私は数時間を過ごした
{ガラガラガラ}
ドアの方へ視線を向けると
梵天No.3の鶴蝶さんがいた
喉を潤し鶴蝶さんの方へ体を向けた
久しぶりに声を出したせいか
声が枯れていた
軽く笑って部屋を出た
あとから聞いた話によると
車の衝撃で頭からの大量出血
1人で乗り込んだのもあり、身体中に大量の傷
興奮しすぎて気づかなかった骨折
三日三晩で行われた殺害からの疲労
何も食べなかったことからの栄養不足
聞いていて自分に呆れた
ため息を着くとまたドアの方から音がした
鶴蝶さんの忘れ物かと思い、辺りを見渡した
動きが止まった
この声の持ち主は
私が大っ嫌いなあの人だから
相変わらずのにやけ顔に腹が立つ
座った体制のまま頭を下げ、礼を述べた
その言葉に
開いた口が塞がらなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。