それから1ヶ月がすぎ
体の調子も元に戻ってきた
骨折は幸いにもすぐに治る範囲だったらしく
今はリハビリに励んでいる
毎日部下が書類を運んで来てくれ
一応仕事には支障はない
組織に乗り込む前
部下を2名殺したせいか
書類を運んで来る部下はどこが顔色を伺っているように見えた
いつも部屋から出たあとは走る足音が聞こえていた
敬語を使わなくていい相手がもういないせいか
私の言葉には敬語の文末になってしまった
梵天が買い取った病院なのもあり
何かと優先にされているが
瞳の奥には殺さないでくれという怯えが見える
ガラスや花を触るように
私に触る時は力もかけずそっと触るのだ
毎日来るのは部下だけではない
灰谷さんもほぼ毎日来ていた
たまに付き添いといい弟の方もいる
弟の方がいる時は私へのお土産を食べているが
兄の方は違った
特に会話をするわけでもなく
ただじっと私の作業を見ているのだ
けど
私への手土産を全て食べ尽くす勢いだ
何故か、三途さん宛の書類だけ灰谷さんは反応する
これを毎日繰り返す
しばらくたち
怪我も完治したおかげで退院の許可がおりた
すぐさま事務所に戻り
とある男の元へ向かった
{コンコンッ}
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。