そこは私も疑問ではあった
庇ったとしてもあの身長差で頭を打たれるとは考えられない
心臓を狙ったところでまず頭に命中する確率は10%もない
口元の傷を上に上げながら軽く笑った
口元の傷をさらに上にあげ
興味がない?
人は精神を崩されればその開いた穴を塞ぐため誰かに漬け込む
それが狙いだったのか
なら、送り狼も全てそのため?
オフィスの出来事も
人の善意をつぶしたのも
権利を無くしたのも
汚れ役を目の前でみせたのも
私に不愉快さを抱かせたのも
交渉をさせたのも
海優を不安にさせたのも
全部全部
人をバカにするような笑顔で私を見た
何となく予想はしていた
けど
実際に人から聞くとやはり精神的に来る
けど、
乾いた笑い声は静かに部屋に広がった
目元を濡らすのは色素の抜けた血液
そう、私は今血液を流している
泣いている訳では無い
けど、やっぱり味はしょっぱく、鉄のような味では無い
これは涙なんだ
産声をあげてから1度たりとも泣けなかった私が今
人の死で涙を流した
親を殺しても泣けなかった私が
初めて泣いている
三途さんの言葉を横に流し
三途さんと向き合った
泣いたことにより、何かが切れた気がした
守らなくちゃ行けないと思っていたものが人に壊され
私のなにかの鎖も切れた
私は笑みを浮かべながら三途さんに言った
初めて見せる私の笑顔に驚いたのか
三途さんは目を見開いた
三途さんのオフィスを出たあと
すぐに灰谷さんにLINEをした
内容は「よろしくお願いします」
その一言で終わらせた
第1章、完結
次回からは蘭を主格として話を簡単にまとめます
蘭側の考察を見た上で第3章はあなたちゃんの復讐劇です(たぶん)
飽きたら第2章で復讐劇を始めます
まぁ報告はします!
ちょっとしたネタを挟むとしたら(?)
今までの題名は結構ないように繋がってきます!
考えながら読むのもひとつの楽しみにしてもらえると嬉しいです!
またまたちなみに、今回の題名の由来は蘭の作戦は一旦終わりって意味です!
一応まだ続きますが、第2章は蘭ちゃんの話になるのでターンエンドって意味です!
それでは!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。