先輩とわたしの行きつけの美容院に一緒に来ていた。
先輩はわたしの横で雑誌を読みながら
リラックス状態だ。
もちろんわたしもその状態。
仕事も忙しかったんだし
ただそれだけに決まってる。
先輩は白黒はっきりしてて曲がった事が大嫌いだからなぁ…
わたしもそんな性格だったら良かったんだけど…
そしたらこんなに思い悩む事もなかったかもしれない。
…セフレのように扱われてるのかって聞かれると
今までの晴人さんを思い出すと
どうしても、そうは思えない。
けど、まだはっきり彼女になれたとは断定できない。
ほんと、わたしも先輩みたいな性格だったらなぁ…
まるで、わたしの気持ちを読まれてしまったかのようだった
先輩は優しく微笑んでわたしを見た。
さっきの優しい笑みとは違い
イタズラな笑みでそう言った。
この人が同じ仕事の先輩でよかった…。
美容師「はい、それでは流していきますね〜」
わたしは、決意した。
晴人さんに告白しよう。
今の自分の気持ちを…想いを伝えようと。
もし、振られちゃったら…
その時は新しく、前を向いて歩いていく。
『推し』として、これからも晴人さんを応援する。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。