廊下に出ると
遠くの方で走ってる人が見えた
…あの人は…
先輩にそう言って、もう一度見てみると
もうその後ろ姿はなかった。
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真琴ちゃん、寝たかな?
後ろにいつのまにか
お風呂上がりの真琴ちゃんがいた。
俺は、真琴ちゃんを抱きしめた。
何かあったのは真琴ちゃんでしょ…?
仕事で振り回されても文句一つ言わず…
いつもなら、これぐらい抱きしめたら
苦しいって言うはずなのに、何にも言ってこない。
何も言わずに、真琴ちゃんは
俺の背中をさすり始めた。
あ……
これ、俺が嫌な事あったみたいになってるやん。笑
一気に腕を離すと、苦しさから解放され
「はぁっ、」と真琴ちゃんが息をした。
そして、心配そうにこっちを見てくる。
俺は真琴ちゃんの肩にかかってたタオルをとって
真琴ちゃんの濡れた髪を優しく拭き始めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。