第52話

52
222
2021/03/10 22:30
優
やばっ、もうこんな時間か!
真琴、そろそろ行くよっ!
真琴
真琴
はいっ!



廊下に出ると





遠くの方で走ってる人が見えた





…あの人は…





真琴
真琴
…晴人さん…?(ボソ)
優
どうかした?
真琴
真琴
あ、いえ、なんでもありません!




先輩にそう言って、もう一度見てみると







もうその後ろ姿はなかった。



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晴人
晴人
ただいまぁ



真琴ちゃん、寝たかな?



真琴
真琴
あ、おかえりなさい



後ろにいつのまにか




お風呂上がりの真琴ちゃんがいた。




真琴
真琴
晴人さん、寒かったでしょう?
天気予報だと夜から
朝にかけて雨らしっ…………



俺は、真琴ちゃんを抱きしめた。



真琴
真琴
晴人さん?…何かありましたか?
晴人
晴人
……





何かあったのは真琴ちゃんでしょ…?







仕事で振り回されても文句一つ言わず…







いつもなら、これぐらい抱きしめたら






苦しいって言うはずなのに、何にも言ってこない。






何も言わずに、真琴ちゃんは







俺の背中をさすり始めた。






あ……








これ、俺が嫌な事あったみたいになってるやん。笑







一気に腕を離すと、苦しさから解放され







「はぁっ、」と真琴ちゃんが息をした。





そして、心配そうにこっちを見てくる。





真琴
真琴
あ、わたしお風呂上がりで体ほかほかなんで、
晴人さんの冷たい手暖められますよ!笑




俺は真琴ちゃんの肩にかかってたタオルをとって





真琴ちゃんの濡れた髪を優しく拭き始めた。




晴人
晴人
ほら、早く乾かしてきなっ?風邪引くから
真琴
真琴
はい!

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