…なんだろう…
優しく髪を撫でられてる気がする…
それが妙に心地よくて
わたしはゆっくり目を開けた。
晴人さんの顔が目の前にあって
恥ずかしかった。
けど、同時に嬉しい気持ちが込み上げてきた。
そっか…
昨日、晴人さんと
正式にお付き合いしたんだ…。
いや、晴人さんは前から付き合ってたつもりだった
みたいだけどね。
時計を見ると10時だった。
グー…
2人のお腹から音が
2人同時に笑った。
晴人さんと一緒に服を着て
寝室を出て、冷蔵庫や冷凍庫の中を一緒に見てると
わたしと晴人さんは顔を見合わせた。
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パチッ
よほどお腹が空いていたのか
少しガッツいてチャーハンを食べていた。
顔だけ見たら、女の子みたいで可愛らしいのに
身体付きとか、今みたいな光景を見ると
あ、やっぱり男の人だな〜って思う。
わたしは、嬉しさのあまり
笑顔しか返せなかった。
そう言って、晴人さんは目を細めて笑って
わたしを見つめた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。