第59話

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2021/03/14 04:09



真琴ちゃんから急に話があると言われた。






どうしたんだろう…







その時、俺はめちゃくちゃ胸騒ぎがした。







そしたら真琴ちゃんの目から大粒の涙が






溢れ出していた。






…もしかして…








この家出たいのかな…?別れ話されるの…?







その涙は、いったいなんの涙?






どう言ったら、俺が傷つかないか考えてるの?




真琴
真琴
…ごめんなさい!
晴人
晴人




この流れは…やっぱり






俺は気持ちがドン底落ちそうになった時







真琴
真琴
わたし、晴人さんの事が好きです!






俺は一瞬耳を疑った。








…へ…?




真琴
真琴
わたし…突然、晴人さんの家に転がり込んじゃって…お世話になって…
たくさん晴人さんとの時間を過ごして…
いろいろな晴人さんを見て…晴人さんの手作り料理を食べて…晴人さんと一緒に眠ったり…
晴人
晴人





え、?






な、なに?




真琴
真琴
…わ、わたし…晴人さんが
どうしようもないくらい…好きになってました…もし…もし可能ならば…
これから先ずっと、わたし…恋人として…晴人さんのそばに居させて貰えるのであれば、そばに居さて欲しいんです!
……だけど晴人さんがわたしの事をそこまで
深く想っていないなら…わたしはきっぱり諦めます…。























 


再び涙が出たのか、下を向き始めた。




























晴人
晴人
…え…?あの、…
言ってる意味がよく分かんないだけど…
真琴
真琴
…っ、!…





真琴ちゃんは、顔を上げて






苦しそうな表情をした。




晴人
晴人
…俺と真琴ちゃんは…
…付き合ってるんじゃないの…?




あまりに俺の唐突なその言葉だったのか






真琴ちゃんの思考回路は止まったような顔をした。





晴人
晴人
…なに?「そばに居させて貰えるなら居させてください」って……
「きっぱり諦める」って……俺と真琴ちゃんって、そんなにもろい関係だったの…?
真琴
真琴
…っ、!…
晴人
晴人
俺との今までの日々は…いったいなんだったの?…そんなふうに、疑問抱きながら俺とずっと一緒に過ごしてたわけっ!




俺もほぼ半泣き状態だった。






なんで…なんでそう、キツく言うの。





そう思いつつも、俺の口は止まらない。




晴人
晴人
俺の横にいる女の子は、真琴ちゃんしかありえない!それが普通で当たり前だと思ってた!
なのに、真琴ちゃんは違ったの…?
俺が1人で勝手にそう思ってただけだったの?!
真琴
真琴
は…晴人さん…
晴人
晴人
…っ
真琴
真琴
…だって…だって…!
晴人
晴人
真琴
真琴
「好きだから付き合って欲しい」とか
何も言ってくれなかったじゃないですか!!




真琴ちゃんが涙をこぼしながら





感情的になって俺に言った。



真琴
真琴
「好き」とか、「愛してる」って
その一言だけでも...
晴人
晴人
真琴
真琴
だからっ!...すごく不安で…!
で、でも抱きしめられたり、キスしたり…
晴人
晴人
真琴
真琴
...嬉しかったから...




俺は、真琴ちゃんを優しく抱きしめた。





晴人
晴人
…ごめん




俺…マジでバカだ…






俺の腕の中で大泣きし始めた真琴ちゃん。



晴人
晴人
…本当にごめん…。
…「好き」とか「付き合おう」とか
わざわざ言葉にしなくても…分かるものは分かるって…そう思ってたから…
真琴
真琴
…っ、…ヒク…
晴人
晴人
俺の中では…もう真琴ちゃんは
俺の彼女だって…思ってたから…
真琴
真琴
…晴人さん…
晴人
晴人




真琴ちゃんは、涙目で俺を見ながら





真琴
真琴
…好き…。
晴人
晴人
…俺も好きだよ…。




俺の目からも涙が落ちていた。




2人で涙をこぼしながら





ゆっくり顔を近づけて、キスをした。

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