昨日仕事に行く途中で
パッと適当に集めてきた物件の
フリーペーパーを何枚も広げた。
スマホでも物件を探していた。
そろそろ1ヶ月が経とうとしていた
いい加減出ていかないとね。
お世話になりっぱなしだし。
そろそろ、ね。
とは言ったものの…
なかなかいい物件が見つからない。
気づけば0時に差し掛かっていた。
すると、わたしのスマホが鳴った。
登録されていない番号。
仕事の人かな……
?「もしもし…」
その一言で分かってしまった。
そう。電話帳から消していた、元カレだった。
なに?
なんて冷静に浮気した人の話を
聞こうとしちゃってる自分がいた。
大っきいけど
キャリーバッグに詰められたのは
冬服と靴とかだけ。
夏服も捨てられていないか
薄々気になってはいたけど
今さら取りに行くのもなぁ……
取りにおいで…?
予定合わせるから……?
その態度に、ふつふつと怒りがこみ上げた。
だけど
あぁそっか
早く取りに来てもらわないと
新しい彼女が困るもんね
ってそう思ったら
怒りをすぐに通り越して
やるせなさ がこみ上げてきた。
ほんとに…
どういう意図でこの人は喋ってるんだろうか。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。