わたし、この先輩のこうゆうところ好き。
ちょっと男前なところ。笑
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さてと
カフェで時間潰しがてら予約したホテルに行こう。
チェックインして服のままベッドに仰向けになる。
別に……最近は好きという気持ちより
情で一緒にいたかもしれない。
あの場で冷静になれたものの…
住み家を失ったこともあってショックだ。
仕事しながら物件を探すのは
内見になかなか行けそうにないから
ハードになりそうだな…
3ヶ月前まで住んでいた
わたしのアパートはけっこう良かったんだけどなぁ。
もう埋まってるかなぁ。
でも3ヶ月で戻ってきたら
大家さんとなんか気まずいよなぁ………
気がつけば、そのまま意識を手放していた。
" プルルル プルルル "
……?
あのまま寝ちゃったのか。
鳴り続けるスマホを手にした。
あ、先輩だ。
一気に仕事モードになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2テーブルほどの小規模な飲み会ではあったけど
少し派手髪の男性3人組がいた。
えーっと…
えーっと…
ダメだ…分からん…
席に着いたわたしは
先輩にこっそり聞いた。
「Nonstop Rabbit」略してノンラビ
というバンドマンであり
どうやらyoutubeとしても活動しているらしい。
うわ…すごいなぁ、テンションが上がってるのか
あの3人飲むペース早い…
スタッフ「じゃあここでなんかプライベートな暴露話してよ、誰か。笑」
スタッフ「ちなみに、ノンラビの皆さんはガチになっちゃうんで抜きましょう!笑」
突然始まった
こっちのテーブルだけでの暴露大会。
スタッフさんやノンラビさん達が
一斉にえっ!?
とどよめく。
全員「えーっ!」
顔を赤くしながら、ケラケラ笑っている矢野さん。
これは相当酔いが回ってるな。笑
だいぶみんな出来上がってきた頃、
トイレに行くと、トイレの前に矢野さんがいた。
こちらに背中を向けて、トイレのドアを塞いでる。
どうやらスマホをいじってるようだった。
彼女さんとの連絡かな?
って勝手に思っていた。
マメな人だなぁ。
わたしも、少なからずこうゆう連絡を
マメにしてれば少しは違ったのかな。
別に、未練があるわけじゃないけど
すぐに結婚できる女と
そうでない女の違いは
こうゆうところなのかもしれない。
頬をほんのり赤くして
可愛い笑顔で言ってきた。
エクボもあってさらに可愛さが。笑
わたしはそう言って、トイレへ急いだ。
びっくりしたぁ〜…
いくら酔ってるとは言えども…
しばらくして
帰りのタクシーに順番に乗り込んでいくときだった。
拗ねたような顔されて
思わず慌てて乗り込んでしまった。
タクシーの運転手さんに行き先を告げると
すぐに矢野さんは横でウトウトし始めた。
とあるマンションの地下駐車場で
タクシーは止まった。
え?本当に部屋にあがっちゃっていいの?
でもとりあえず矢野さんの後について行った。
玄関の前まではお互い何も話さずに、
矢野さんは深く帽子を被ってるから
顔を見合わせることもなかった。
矢野さんが、ドアノブに手をかけた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!