第4話

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2021/01/24 13:33
真琴
真琴
おはようございます
優
おはよっ、て、え?なにその大荷物
真琴
真琴
あ、諸事情で…すいません、邪魔にならないところに置きますので
優
諸事情…?
真琴
真琴
…実は、彼氏の家 出てきたんです。笑
優
あらま。笑、じゃ話聞くから今度飲もうよ







わたし、この先輩のこうゆうところ好き。




ちょっと男前なところ。笑


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優
よし!そのあとの撮影中のお直しも
1人で足りるから、あんたは上がっていいよ?
真琴
真琴
はい、お先に失礼します。



さてと





カフェで時間潰しがてら予約したホテルに行こう。







チェックインして服のままベッドに仰向けになる。









別に……最近は好きという気持ちより









情で一緒にいたかもしれない。









あの場で冷静になれたものの…





住み家を失ったこともあってショックだ。









仕事しながら物件を探すのは









内見になかなか行けそうにないから









ハードになりそうだな…









3ヶ月前まで住んでいた










わたしのアパートはけっこう良かったんだけどなぁ。





もう埋まってるかなぁ。









でも3ヶ月で戻ってきたら










大家さんとなんか気まずいよなぁ………









気がつけば、そのまま意識を手放していた。



" プルルル プルルル "









……?









あのまま寝ちゃったのか。









鳴り続けるスマホを手にした。




あ、先輩だ。







一気に仕事モードになった。








真琴
真琴
もしもし、お疲れ様です
優
あ、お疲れ~
これから飲み会なんだけど、真琴もおいでよ!
なんか、メジャーデビューが決まったバンドマンの打ち上げなんだって!
真琴
真琴
…メジャーデビュー…?
…その打ち上げになんでわたし達が?
優
なんか、これからヘアメイクを担当する事が多くなるんだってさ!
真琴
真琴
… はいっ、分かりました…伺います
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






真琴
真琴
着いたぁ…





2テーブルほどの小規模な飲み会ではあったけど







少し派手髪の男性3人組がいた。




えーっと…









えーっと…




ダメだ…分からん…




席に着いたわたしは









先輩にこっそり聞いた。








「Nonstop Rabbit」略してノンラビ










というバンドマンであり







どうやらyoutubeとしても活動しているらしい。








うわ…すごいなぁ、テンションが上がってるのか









あの3人飲むペース早い…






スタッフ「じゃあここでなんかプライベートな暴露話してよ、誰か。笑」








優
順番に行こ、そっちから時計回りね!



スタッフ「ちなみに、ノンラビの皆さんはガチになっちゃうんで抜きましょう!笑」



突然始まった






こっちのテーブルだけでの暴露大会。








優
じゃあ次、真琴っ
真琴
真琴
あっ、えっと~、じゃあ…
実は、今日からホームレスです!!






スタッフさんやノンラビさん達が









一斉にえっ!?





とどよめく。
達也
達也
え、なんで?てか、マジっすか?笑
真琴
真琴
はい!まじです。笑
彼氏と同棲してたんですけど、さっき浮気現場に遭遇して!



全員「えーっ!」
真琴
真琴
で!浮気相手がいるその場で
荷物詰めてきました!
太我
太我
うーわっ…なんも話さなかったんですか?
真琴
真琴
はい。なんか言い訳しようとしてたんですけど、別にそうゆうのいいから~って。笑
相手は年下の大学生で、あんまり時間合わなくて寂しかったと思うんですよね…
だったらそれを埋めてくれる相手のところへ行ってもらったほうが、みたいな笑
優
ねっ、わたしの可愛い後輩
なかなか肝座ってるでしょ~
晴人
晴人
めちゃくちゃ可愛いもん!
すぐいい人できますよ!
お名前わぁ〜?😊
真琴
真琴
あ、神野真琴と申します。
達也
達也
なに?笑
お前口説いてんの?笑
晴人
晴人
え?笑いやいや、笑
でも、そんな事ないよ笑
太我
太我
相当酔ってるじゃん笑
晴人
晴人
うん。酔ってるぅ〜笑
達也
達也
メジャーデビュー決まってそうそうやらかすなよ!笑
晴人
晴人
ちーがーうー!
そういうんじゃないからぁ〜笑






顔を赤くしながら、ケラケラ笑っている矢野さん。






これは相当酔いが回ってるな。笑







だいぶみんな出来上がってきた頃、







トイレに行くと、トイレの前に矢野さんがいた。






こちらに背中を向けて、トイレのドアを塞いでる。




どうやらスマホをいじってるようだった。







彼女さんとの連絡かな?








って勝手に思っていた。









マメな人だなぁ。








わたしも、少なからずこうゆう連絡を








マメにしてれば少しは違ったのかな。







別に、未練があるわけじゃないけど








すぐに結婚できる女と







そうでない女の違いは










こうゆうところなのかもしれない。








晴人
晴人
あ、
真琴
真琴
あ、すみません、お手洗い…
晴人
晴人
あぁ!笑、ごめんね!
さっき…
真琴
真琴
はい?
晴人
晴人
いや、今日は思いっきり飲みましょね?😊



頬をほんのり赤くして








可愛い笑顔で言ってきた。






エクボもあってさらに可愛さが。笑









真琴
真琴
…はい笑
晴人
晴人
真琴ちゃん、今日はどこに帰るの??
真琴
真琴
ホテルをとりました
晴人
晴人
ホテルかぁ〜…俺の家おいでよ😊
寂しいじゃん!笑
真琴
真琴
… へっ!?
あの、飲み過ぎなんじゃ
晴人
晴人
いや、まだ飲めるよ?笑
今飲んでおかないとこれからちょっと忙しくなるからね!笑
真琴
真琴
そ、そうです、よね…笑
…あ、そうだ!わたしもお手洗い



わたしはそう言って、トイレへ急いだ。







びっくりしたぁ〜…








いくら酔ってるとは言えども…








しばらくして








帰りのタクシーに順番に乗り込んでいくときだった。











晴人
晴人
ほら、真琴ちゃん笑
乗ってっ?😊
真琴
真琴
いや、お先どうぞ
晴人
晴人
(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)…いいから!






拗ねたような顔されて






思わず慌てて乗り込んでしまった。







タクシーの運転手さんに行き先を告げると









すぐに矢野さんは横でウトウトし始めた。










とあるマンションの地下駐車場で









タクシーは止まった。

真琴
真琴
矢野さんっ、着いたみたいですけど
晴人
晴人
んっ?ん〜…
あぁ、ありがとうございましたぁ笑
あ、お釣り大丈夫です。
行きましょっ!真琴ちゃん😊




え?本当に部屋にあがっちゃっていいの?







でもとりあえず矢野さんの後について行った。









玄関の前まではお互い何も話さずに、









矢野さんは深く帽子を被ってるから









顔を見合わせることもなかった。




矢野さんが、ドアノブに手をかけた。

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