ある、仕事中の事。
わたしの目の前には、鏡の前でモデルさんが足を組んで
わたしの企画書に目を通してる。
一応スタッフやモデルさんの関係者との打ち合わせで
通ったから自信作ではあったのだが
楽屋はシーンと静まり返って、
マネージャーさんと関係者は
あれ?といった表情で、
鏡ごしにわたしとモデルの顔を交互に見ていた
モデルさんの中でも気分屋の人はいても
ここまでワガママで尚且つ否定してくる人はいなかった
意地悪な悪そうな笑みを浮かべながら言われた
マネージャー「…すみません」
モデルさんは大きくため息をついた後
周りは一切彼女を止めようとはしなかった
泣くな
泣いたらそこで負けだ
すっごく悔しいけど
仕事中はどんな事があろうと曲げないのが
わたしの中でのルールだった
事務所に戻ると男の上司がわたしの隣に立った
上司「さっき電話があって話は聞いた
どうせ疲れとかダイエットでイライラしてただけだろ。
あまり気を落とすんじゃないぞ?」
上司はわたしの肩に手をポンと置いて去って行った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!