第44話

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2021/03/07 05:35


ある、仕事中の事。



モデル
モデル
……ふぅーん、で?
わたしはこんな感じになるんだ
真琴
真琴
はい、ここにはラメを控えめに



わたしの目の前には、鏡の前でモデルさんが足を組んで







わたしの企画書に目を通してる。







一応スタッフやモデルさんの関係者との打ち合わせで









通ったから自信作ではあったのだが




モデル
モデル
控えめなラメねぇー、へぇー、このメイクの何がいいの?このメイクのポイントはいったいなんなの?



楽屋はシーンと静まり返って、








マネージャーさんと関係者は









あれ?といった表情で、









鏡ごしにわたしとモデルの顔を交互に見ていた







モデルさんの中でも気分屋の人はいても








ここまでワガママで尚且つ否定してくる人はいなかった





真琴
真琴
あの、すみません…この後の撮影のメイクは…予定通りなんですが…
モデル
モデル
え?この予定どおりー?えーこれかぁー笑
真琴
真琴
では、ご相談させていただいて
話し合いながらメイクしていきましょうか?
モデル
モデル
あなたからこれ以上のプランが
出てくるわけ?笑



意地悪な悪そうな笑みを浮かべながら言われた



モデル
モデル
こんっな平凡なメイクを提案してくる人と話しながらメイクしたって…
わたしの株が落ちちゃうだけじゃない。
真琴
真琴
っ、ですが、会議の際に…
モデル
モデル
会議なんて知らないわよ。
たく、この仕事取ったのいったい誰なの?
どうして現場に入る前に企画書見せてくれなかったのよ!



マネージャー「…すみません」




モデルさんは大きくため息をついた後






モデル
モデル
あなた…出てってくれるかしら?
わたしはね、クリエイティブな仕事をしているつもりよ?このメイクは没よ!没!
真琴
真琴
…失礼致しました。




周りは一切彼女を止めようとはしなかった







泣くな









泣いたらそこで負けだ







すっごく悔しいけど







仕事中はどんな事があろうと曲げないのが








わたしの中でのルールだった





事務所に戻ると男の上司がわたしの隣に立った






上司「さっき電話があって話は聞いた
どうせ疲れとかダイエットでイライラしてただけだろ。
あまり気を落とすんじゃないぞ?」





真琴
真琴
…すみません、ありがとうございます




上司はわたしの肩に手をポンと置いて去って行った

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