わたしの方が
少しの差で早く帰ってきて
思わずソファに倒れ込んでしまった。
ガチャ
晴人さんの声が聞こえて
わたしは慌てて体を起こして
リビングのドアから背を向けた。
晴人さんから背を向けて
三角座りをしているわたし。
すると、晴人さんもソファに座ってきて
わたしを後ろから抱きしめてきた。
晴人さんはくすくす笑いながら
わたしにスリスリしてきた。
こういう事をサラッと口にできるのは
きっと晴人さんから背を向けてるからだね。
けど、添い寝してくれるから寝れます
ってストレートに言っちゃったみたいで
なんだか恥ずかしい
でも、合ってるんだけどね。
晴人さんがどんな顔をしてるのかは
分からないけど
きっとあの優しい笑顔で言ってくれてるのかな
なんて。
声聞いただけでそう思うわたしって。笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!