紅魔館の門の前に美鈴が立って居眠りをしている。
「…zzz………む?……」
居眠りしていた美鈴が目を開ける。
直後、ルーミアとチルノ、ミスティアが目の前に現れる。
「これはこれは、お久しぶりですね。」
美鈴は笑う。
「そうだね、久しぶり、美鈴。」
ルーミアが受け答えする。チルノは少し、腰を低くしている。
「それで何の用でしょう。ルーミアさん?」
美鈴が戦闘態勢に入る……その一瞬の隙をつき、チルノが美鈴の両足に毒矢を放つ。
「!?」
美鈴は倒れる。どうやら、即効性の毒のようだ。
「あたいの毒矢の味はどう?愉快な気分になるでしょ?」
チルノの左腕には、アーム装着型ボウガンがついている。
「う……く…ぅぅ………」
美鈴は自分の体に回っている毒にもがく。
「そこまでよ、雑魚ども!」
ルーミアたちの足元にナイフが飛んでくる。
「おや…メイド長のお出ましか……」
咲夜が壁の上に立っている。
ルーミアは冷静に話している。
「美鈴を傷つけて、許さないわよ!」
大量のナイフを飛ばすが、回避される。
「ザ・ワールド!」
咲夜は時間を止める。しかし、ルーミアたちはどこにいるか分からない。
「え……どういうこ……」
ドスッという音が自分の背中から聞こえ、視線を下に落とすと自分の腹を貫通して血塗れになっている剣が見える。
「残念だったね、時間を止める能力など無意味なんだよね。」
後ろからルーミアの聞こえ、剣が勢いよく引き抜かれる。
「かはっ!!」
咲夜は美鈴の近くに倒れる。
「咲…夜……さん…」
美鈴は涙を流す。そんな美鈴の頭に硬く冷たいものが突き詰められる。
「仲良く2人であっちに行ってな。」
チルノが言い終わった直後、2つの火薬がはぜた音が響きわたる。
2人の死体は仲良く門に背もたれ、手を繋いでいる。
ルーミアたちは中に侵入し、紅魔館の扉を斧で壊し、入る。
「チルノは図書館……いや、3人で行動しよう。」
ルーミアが提案するとチルノたちは頷く。
そして、ルーミアたちは図書館に行く。
一方、パチュリーと小悪魔は一緒に本を読んでいる。
「咲夜さん、来ませんね。そろそろ紅茶を持ってくるはずなのに………」
「そうね…何かあったのかしら。」
「私、見て来ます!」
「はいはい。」
小悪魔はパタパタと羽を動かして飛んでいく。
小悪魔が廊下を飛んでいくと、ルーミアたちが歩いてくるのを見つける。
「あれ?ルーミアさんにチルノさん?」
小悪魔は降りて、近づく。
「どうも、誰をお探しで?」
「あ……咲夜さんを探しているんです。」
それを聞いた瞬間、ルーミア、チルノ、ミスティアがとても嬉しそうに微笑む。
小悪魔は首を傾げ、
「何か知っているんですか?」
と問いかける。
チルノは、ポケットから1本のナイフと龍と書かれた星のワッペンを出し、小悪魔の足元に放る。
小悪魔はそれを見て、息を飲む。なぜなら、それは咲夜と美鈴のものだからだ。
「咲夜さんたちに何を!?」
ルーミアが笑い、答える。
「死んでもらったんだよ。」
小悪魔は戦慄し、攻撃をしようとするが、闇の触手に前後から貫かれる。
そのまま、小悪魔は死んでしまう。
「さてと…証拠を……いや、いらないな。」
ルーミアたちは、図書館に向けて歩いていく。
「いらっしゃい…」
パチュリーがちょうど入ってきたルーミアたちに声をかける。
「あぁ」
ルーミアは迷わず、歩いていく。
突然、魔法陣がルーミアの足元に展開される。
「おや、なんだこれは?」
「小悪魔たちに何をしたの?」
「言わなくても分かってるだろ?その机の水晶で。」
「…………何が目的?」
パチュリーは泣きそうになりながら問いかける。
「目的などない。私たちがやりたいと思ったから……いや、目的は食糧などの強奪だ。」
「な……そんなことのためにあの3人を!」
パチュリーは怒り、魔法陣をさらに展開する。
「あぁ、そうだな……だが、あんたもすぐにあっちに行ける。」
「え?」
一瞬止まったパチュリーの無防備の背中を闇が貫通する。闇を使ったのはミスティアだ。
「うそ……」
意識が切れ、がっくりとなる。そうなったパチュリーの体を闇で投げ飛ばす。
「あと、2人だね。」
「あたいも活躍するよ!」
「頑張りますか…」
3人は見てない部屋を探しに行く。
レミリアは自分の部屋で咲夜が来るのを待っていた。
「なんで来ないんだろう、忙しいのかな。まだ我慢しよう。」
レミリアは外を静かに見ている。
突如、扉が砕け散る。
「!?」
レミリアは驚き、扉の所を見る。そこから、妖精メイドの無惨な死体を左腕に持ち、右腕に斧を持ったルーミアが現れる。
「あんた、何してるの?」
レミリアはその有り得ない光景に驚きながらも聞く。
「ここにいたのか、少し遊んでいたのさ。」
「遊んでいた?何を言って……」
「あんたと妹以外は皆、寝ちまったよ。」
「寝た?」
「永遠の眠りさ。」
「!?」
レミリアは走り出す。そのレミリアにルーミアは、
「魔法使いたちは図書館、メイド長は門だよ。」
レミリアはその言葉を信じたくないが確認に走っていく。
レミリアはまず図書館に行く。その道中で、無惨な姿の小悪魔を見つける。その小悪魔の姿に驚き、ふらつくが図書館に行く。
レミリアは血の池に沈んだ親友のパチュリーを見つける。
「嘘……でしょ……?……パチェ……」
レミリアは絶望する。急いで、紅魔館の門の所に走っていく。
そこには、血塗れだが…仲良く手を繋いだ咲夜と美鈴の死体があった。
「ねぇ……咲夜……返事して…ねぇ……お願いだから……美鈴も…起きて…」
レミリアが必死に2人を呼ぶが、返事が帰ってくることはない。
「大丈夫か!レミリア!」
箒に乗った魔理沙が飛んでくる。
「ま…魔理沙!…………助けて!2人が……咲夜と美鈴が返事してくれないの!」
レミリアは箒から降りた魔理沙の服を掴む。魔理沙はその2人の死体を見て絶望する。
「嘘……だろ?……なんで…」
その後に霊夢がくるが、同じように絶望する。
「なぁ……レミリア…パチュリーは…?」
魔理沙が レミリアに聞く。
「……死んでた……」
「パチュリー………」
魔理沙は膝をつく。
「レミリア…フランを連れて来て、ここから逃げましょう。」
霊夢がレミリアに言う。
「うん……」
レミリアは素直に頷き、飛んでいく。
そして、しばらくしてフランと一緒に戻ってくる。
「逃げましょう、ここから。」
霊夢が飛ぶ。フランは咲夜たちの死体を見て、驚く。
そして、博麗神社に逃げる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!