第4話

お母様、私は、私は・・・。
492
2020/06/03 09:02
シェアハウスにてーーーー
あなた
あなた
お母さんが、私を引き取りたいらしいんだ・・・。
莉犬
そっか・・・。
ななもり。
あなたちゃんは、どうしたいの?
あなた
あなた
私は、行きたくない・・・。
ジェル
なら、行かんかったらええやん!
さとみ
ジェル、両親の問題はそんな簡単じゃねーんだよ。
ジェル
そうなんやな・・・。
でも、やっぱり俺はあなたちゃんが行きたくないのに
わざわざ行かんでもええと思うで?
ころん
確かに、そうだよなぁ。
あなた
あなた
でもね、これから生きていくためには、行ったほうが、いいって。
るぅと
もし、嫌じゃなければ、僕も付き添っていいですか?
ジェル
なんでるぅとが!?
あなた
あなた
私達、双子なの・・・。
すとぷり
まじで!?
るぅと
そうなんです。だから、僕も自分の親を見たいので。
あなた
あなた
わかった・・・。
瑠宇都くんが、一緒に来てくれるなら・・・。
次の日ーーーーーーーーーー
あなた
あなた
久しぶり、お母さん。
あなたのお母様
久しぶりね!
まぁ、見ないうちに大きくなって!
るぅと
お久しぶりです。
あなたのお母様
まぁ!瑠宇都も来てくれたの!
呼ぶ手間が省けるってものね・・・。
あなた
あなた
お母さん、私はあなたに引き取られたくないわ。
あなたのお母様
まぁ!なんてこと言うの!?
本当の親に会えたときに言うもんじゃないでしょ!?
あなた
あなた
あなたが私達を捨てたのに?
あなたのお母様
私は、そうするしか、なかったのよ・・・。
るぅと
どういうことですか?
あなたのお母様
あなた達のお父さんがね、あなた達に虐待をしていて・・・。
あなたのお母様
それにね!私のところに来れば!
お金だってたくさんあるわよ?好きなものだっていっぱい買ってあげるわ!
あなた
あなた
遠慮しておきます。
お金なら今もあるので。
るぅと
僕も。
僕たち、自分達の足で立って生きていけるんです。
あなた
あなた
そう。私達で仕事して、稼いでるのよ。
あなたのお母様
まぁ!すごいじゃない、瑠宇都!
わかったわ、瑠宇都。
あなたは1人で生きていっていいわよ。
あなた
あなた
私は?
あなたのお母様
だめよ。女は家事、育児。
それに財閥の娘なんだからもっとおしとやかに!
なんでパーカーとジーパンなの!?
あなた
あなた
だめですか?
あなたのお母様
ええ、もちろん!
女の子らしいピンクのドレスとか着なさい!
あなた
あなた
無理。
あなたのお母様
反論は許しません!
あなたは瑠宇都と結婚して、私や瑠宇都のお金で生きていくの。
女はいつだって守られる側。わかる!?
あなた
あなた
そんなの、嫌だ。
わたしは行かないよ、お母さん。
あなたのお母様
私のことはお母様とお呼びなさい!
財閥の娘はプリンセスのような生き方をするのが普通なのよ!?
るぅと
(逃げるよ、あなた。)
あなた
あなた
(おっけ!)
あなた
あなた
(今だ!)
あなたのお母様
まぁ!どこへ行くの!?
はしたない!戻ってらっしゃい!
あなた
あなた
戻れって言われて戻る人なんていないけど?
るぅと
それ以前に追いつけますか?
あなたのお母様
はぁ、はぁ、はぁ。
財閥の娘が走るなんて!
あなた
あなた
私は財閥の娘なんかじゃない!
一人の人なんだ!女はいつだって家で家事育児なんてわけわかんない!
るぅと
僕だって子供の世話もしたいよ!

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