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第161話

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2022/12/03 23:45
逢坂 要
逢坂 要
先輩〜!なんか冷たいのちょーだい
月城 瑞希
月城 瑞希
…ん。
風呂からあがり、下着1枚で髪の毛を拭きながら手を差し出す要。床をびちょびちょに濡らしながら無邪気な笑みを浮かべるその姿に俺は少し呆れながらも冷蔵庫からペットボトルを取りだして要に渡した。
逢坂 要
逢坂 要
ありがと!
冷蔵庫から出したてのキンキンに冷えた水をグイグイと飲み干す要。…頭痛くなんねえのかな。
逢坂 要
逢坂 要
あ、ねえ先輩。
月城 瑞希
月城 瑞希
ん?
逢坂 要
逢坂 要
明日、大晦日だけど予定空いてる?
どっか遊び行かない?
月城 瑞希
月城 瑞希
あー…行きたいのは山々なんだけど、大晦日に弟たちを放置するわけにもいかないから…
逢坂 要
逢坂 要
あ〜そっか。先輩、弟妹いっぱいいるもんね。
それなら仕方ないなあ、なんて言いながらも要は何やら考え込むようなポーズを取っている。
逢坂 要
逢坂 要
ん〜…じゃあ俺が先輩の家に行くのは?
月城 瑞希
月城 瑞希
俺の家?
逢坂 要
逢坂 要
そ!どーしても恋人として一緒に年越したいんだもん。…ダメ?
要は大きな瞳で俺を見つめてくる。
確実にわざとだろうけど可愛い。
月城 瑞希
月城 瑞希
…まぁ、それなら…。
逢坂 要
逢坂 要
ほんと!?やったぁ!
先輩の弟くんたちに会うの久しぶりだなあ〜
月城 瑞希
月城 瑞希
ああ、アイツらもお前に会いたがってたよ
要は嬉しそうに笑うと、俺の手をぎゅうっと握ってくる。
逢坂 要
逢坂 要
俺、こんな楽しみな年越し初めてかも
月城 瑞希
月城 瑞希
ははっ…大袈裟すぎだろ…
…なんて口では言ったが、浮かれているのは俺も同じだった。
別に家族で過ごすのが幸せじゃないわけではない。
寧ろ、妹たちの笑顔を見られるのはとても幸せなことだ。

しかし今年はそんな風景に要が加わるんだ。
きっと騒がしくなるだろうが、すごく楽しいんだろうな。



12月30日。大晦日まであと1日。





同日。雨川洸視点。
鉛のように重たい体をベッドから起き上がらせる。


数時間前の記憶が無い…。おそらく途中で意識を飛ばしてそのまま寝てしまったのだろう。


それなのに俺の体に纏わりついていたローションやら体液やらは全て消え去っていて、俺は衣服に身を包んだ状態でベッドに潜っていた。


俺が眠った後に空輝が後処理やらなんやらを
全てやってくれたのだろう。
ふと隣に体温を感じて視線をやると、
気持ちよさそうに眠る空輝の姿があった。
その寝顔は数時間前まで獣のように腰を振っていた男とは思えないほど子どもっぽい顔をしていた。
雨川 洸
雨川 洸
…寝てれば可愛いのに
空輝の目元にかかる程長い前髪を軽く流しながら
ボソッと呟く。
しかしそんな言葉は眠っている空輝に届くわけがなく、
空輝は相変わらず呑気な顔で眠りについている。
俺はベッド横の棚に置いてあったスマホを手に取る。
液晶に表示された12月30日の文字。


あ、明日は大晦日か。
ちなみに大晦日は、俺は空輝と家で共に年越しすることになっている。


なぜ共に年越しをすることになったか。
恋人同士なら何もおかしくないことだったが、しっかりと理由があった。


というのも俺の兄に彼女が出来たらしく、「年末は彼女と過ごしたいから家を空けてくれ」と頼み込まれたのだ。本当はホテル取っておけよ…と言いたい所だったが、あまりにも迫真な兄のその態度に思わず許諾してしまった。そして先日、そのことを空輝伝えると、「んじゃ俺ん家で一緒に年越すか」なんて笑いながら言ってくれたのだ。
大晦日に実の弟を家から追い出すだなんて全くうちの兄はどうかしている。…まあ、結果的に空輝と一緒にいられるわけだからいいんだけども。
新賀 空輝
新賀 空輝
…ぅ……、
その時、もぞっ…と隣で空輝が動いたと思えば、
小さなうめき声と共に空輝の腕が俺の腰に伸びてくる。
新賀 空輝
新賀 空輝
っ…こ、…ぅ…
雨川 洸
雨川 洸
…ん?どうしたの?
…なんて声をかけたが、返事は返ってこない。
おそらく寝言だったのだろう。
空輝の顔からは、先程までの幸せそうな様子はもう感じられなかった。どちらかというと何かに苦しみ、耐えているような…そんな顔をしていた。
…そういえばこいつ、最近変な夢を見るって言ってたよな。
俺がいなくなる夢だとかなんとか…。
俺は再び体をベッドに潜り込ませると、
空輝の大きな体をぎゅうっと抱きしめる。
雨川 洸
雨川 洸
…俺はずっとここにいるよ
小さく呟いたその言葉は夢の中で藻掻いている空輝には聞こえていないだろう。それでも空輝が少しでも安心するような言葉を投げかける。
すると、俺の腰付近に回されていた腕の力が緩み、
穏やかな寝息が聞こえてきた。


俺の行為の効果があったのかは分からないが、
再び幸せそうな顔で眠りにつき始めた空輝をみて安心する。
雨川 洸
雨川 洸
…ん…俺もまた眠くなってきた…
俺は空輝の背に手を回したまま、眠りについた。
























更新遅れてすみません🙇‍♂️💦

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