これをホソガに渡したかったんだっ
数時間前..
「美味しいひつまぶしだよ〜!」
「ここでしか買えないよ〜!」
どこからか、そんな声が聞こえた
ひつまぶしって、ホソガ好きだったよね..?
そう言われ、私はひつまぶしの売店に行く..が、
そこには
『¥5000』
の文字が..
どうしよう?
でも..
ホソガ、ひつまぶし好きだもん!
私、ホソガ好きだもん!((
ここでしか買えないって言ってたし、
一つくらい良いよね?
「ハーイ!」
「あら、お姉ちゃんひつまぶし好きなの?」
「やだ、彼氏さん!」
「ここのひつまぶし、美味しいけど高くてねぇ..」
「全然売れなくて困ってたのよ..」
確かに、それはあるかも..ㅎ
「あれ、彼氏さんの分だけ?」
「あぁ、それなら一つおまけするわ!」
思わず顔を見合わせるオンニと私
え、だって、一つ5000円..
5000円をおまけって、
「もう、遠慮しないで!」
「どうせ売り残るんだからㅋ」
そう言って、渡された袋には
美味しそうなひつまぶしが二つ入っていた
「良いのよ〜仲良くね〜ㅋ」
.
ホソガは、そう言って私の額にキスをした
本当、おばさんありがとう..
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!