─ガチャ
私は辛い一日を終え、家に帰って来た
このドアを開けると、世界はまるで変わるようで..
リビングのドアが開いたと思えば
私の愛する人の姿が見えた
私は急いで靴を脱いでホソガに抱きつく
抱き返してくれたホソガ
ホソガの手が私の首に行く..
.
なんか今、首辺りがチクって..
─ホソガの指には何枚もの絆創膏が貼られていた
テンパる私はホソガを連れてリビングへ向かう
そしてホソガをソファに座らせ、
冷静を取り戻そうとするが、
それはなかなか難しくて..
ホソガが顔を顰めた
何があったの..?
いつの間にか私は涙を流していた
その涙を、ホソガの痛々しい指が拭った
そんなの..
...
包丁に力を入れたら、
包丁が滑って..
左手の綺麗な指が、ほとんど絆創膏に覆われている
痛かったよね..
その時一緒に居れなかった事が申し訳なくて、申し訳なくて..
泣きながら謝る私を
ホソガは「なんで謝るのㅎ」って、
そう言って、抱きしめてくれた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。