第22話

弐拾壱︰何か悪い夢でも
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2021/10/24 04:00
あなたったら急に泣きだしちゃって……
吃驚したわ


私が抱き締めながら泣いている間、お母さんは優しく私の背中を撫でてくれていた。





自分でもなぜ泣いていたのか分からない。


思い出せない。







─── 何か悪い夢でも見ていたみたい。

あなた
ごめんね、お母さん。ありがとう!
あなたが元気になってくれたなら
お母さん嬉しいわ。
さぁ、家に入りましょ!


そう言って、お母さんと私は家に入ろうとした。


あなた
……ッ!?



私は勢い良く後ろを振り向く。





しかし、そこには誰も居ない。




木々の枝葉の間から差し込む日の光が、自然を
輝かせているだけだった。

……あなた?どうしたの?
あなた
…何でもないよ!家入ろ〜!

私は何か気配を感じたけど気のせいだと思い、
そのまま家に入った。





















あなたが何らかの気配を感じたと思ったのは、間違いではなかった。






???
危ない…早く精神の核を破壊しないと。


一人の青年が、木に隠れてあなたを見ていた。



青年は、何処かに走り去って行った。



𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄


暫くして私達は街に出た。



すると、空からはらはらと雪が降ってきた。

あなた
わぁお母さん!雪だよ雪!!

私は空を見上げる。

えぇ、そうね。綺麗ね。
あなた
うんっ!私、雪大好き!!!
お母さんもよ。季節の中で、一番冬が
好きかしらね…。
あなた
私も!!

私も四季の中で、一番冬が好き。



雪が降るし、外でお母さんと雪遊びするのが子供の時から大好きだった。







そんな事を考えながら歩いていると、街が少し騒がしい事に気がつく。



何かあったのかな………。




母もその事に気がついたのか、近くの人に話を聞いていた。

あなた
お母さん、街の人何て言ってた?
さっきまで街にいのししが居たらしいの。
凄い暴れてたんだって。幸い怪我人は
出なかったって言ってたけど、
怖いわね…。
あなた
そうなんだ……!




猪か………。
















なんか、






あなた
伊之助さんみたい……。
伊之助さんって誰??
初めて聞く名前だけど……。
あなた
…え?
あ、何でもないよ!!


何言ってるんだろう……。



そんな人と知り合った記憶は無いはず…。







不思議には思ったけど気にしないで、私はお母さんと買物を続けた。



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