数日後。
今日は、家に歩斗先輩が来る。
いいんだけど……。
ピンポーン
私は玄関へ。
ガチャッ
先輩の親御さんが同居をオッケーしたということで、話し
合いをする。
へっ?
お母さんの爆弾発言って、治らないみたい……。
って、先輩も先輩で!
いいのに。
もう納得してるから……。
私、できるのかな……?
そして、今度、先輩のご両親と私の両親が会うことに
なった。
〈想矢side〉
ここんとこ、ずっと歩斗くんのことばっかりで。
歩斗くんのことを見ている目なんて、俺……。
その先は続かない。
図星だね。
……ははっ。
ほんとは余裕なんてない。
あなたのことを取られて悔しいし、いつもただ強がっていた
だけ。
あなたに対しても……手を出したかったって言うと最低だけど我慢して我慢して、我慢しまくった。
ほんとは、俺が一番近くで守りたい。
でも、俺は、ののかちゃんや歩斗くんには、かなわない。
留学先で、ずっと応援してるからさ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!