私はいつの間にか家に帰っていて、部屋で寝転んでいた。
コンコン!
わざわざ部屋まで来るなんて。
プレゼント??
そう兄の手にはチケット。
見たかったやつ!
舞い上がりすぎて、大胆に好きなんて言ってしまったことにすら気づかなかった。
あー。
やっぱりそう兄ってカッコいい……。
どうして。
そうじゃないけど。
私だって知りたい。
でも、ふたりきりはだめなんだもん。
それに、先輩は目を合わせてくれなかった……。
避けられてるのかな。
そう兄は私のヒーローで、大好きな人で……。
なのに。
どうして、歩斗先輩に会いたいって思ってるんだろう。
自分から言っといて、即答ですか!?
お母さんが行ったあと、そう兄は言った。
ポンポン(頭)
デデデデデート!!!
そうだよね。
ふたりきりだもん。
……あれ?
私はともかく、そう兄もデートって認識なの……?
そう兄にとって、いとこと出かけるだけだよね?
喜んでいい、よね?
あれ?
そういえば、そう兄ってこれが通常運転?
駅で抱きつくような人だよね。
でも、いつもより……甘々?
そう兄の考えがわかりません……(泣)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。