第8話

8.有能なやつ。
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2023/10/29 13:25
~いるまside~

なつの声で完全に目が覚めた俺は、なんとか起きて朝の仕度をした。

チラリとらんを見てみると、まだ照れているのか顔が真っ赤だ。


でも嬉しかったのか、俺が撫でた頭をふわふわと触っていた。


ただ撫でただけなのに…そんな嬉しがるものか?


…まぁ今はいいか。腹減ったし。


リビングに向かうと、机には美味しそうな料理が並べられていた。



……え?これ全部らんが作ったのか?

いるま
…え、これ全部らんが作ったん?
らん
あ、はい…
なつ
やばっ!?めっちゃ上手そ…!
そう。

机上にはごはん、サラダ、味噌汁など…ほかほかと美味そうな料理がズラリとある。


こんなちゃんとした朝食久々だな…


なつ
料理できるんだな、らん。
らん
…まぁ、家事全般は一応…
なつ
マジっ!?やっば尊敬…
らん
えっ!?いやそんな大したことじゃ…!
いるま
なつお前…家事ほんと下手だもんな…
なつ
うっさ!
らん
……www
いるま
んじゃ、食べるか。
なつ
ほーい。いただきまーす。
いるま
いただきまーす。(同時)
らん
…いただきまーす。(同時)
そう言って三人で食べ始めた。

なつ
…うまっ!?
いるま
ほんと。すげぇ上手い。
らん
…お世辞なんて、いりませんけど…??
疑うような目で見てくるらん。


…いや、ほんと美味いんだけどな。

これで店開けるレベル…
いるま
いや、ほんと美味いよ。(ニカッ)
らん
…っ…!///
らん
…ありがとうございます。(フイッ)
そう言って照れたように顔をそらしたらん。

…昨日俺らを誘ってきたときとは大違いだなwww


こいつ、意外と照れ屋なんだ。


……家事ができる、か。


…!!そうだ!!!
いるま
…らん、お前家事できるんならさ。
いるま
ここで家事ずっとしてろよ。
らん
……え。
なつ
…!確かに。
なつが俺の考えをくみ取ったような表情をする。

らん
…??
なつ
お前さ、この家にいるのまだ後ろめたさ感じてるだろ。
らん
…!!
図星をつかれたような顔をするらん。

なつ
…ほーらな。
いるま
だからここにらんを住まわせるかわりに、家事をしてもらいたいんだよ。
いるま
その条件で暮らしていこうぜ。
らん
…それだけで、いいんですか?
不思議そうな表情で聞いてくる、らん。


いや、家事が苦手な俺らにとっては大助かりなんだけどな。


いるま
なんだ?不満か?
らん
いえ…だって、そんなの住まわせてもらってるなら当然じゃないですか?
らん
ただでさえ、邪魔なのに…(ボソッ)
なつ
…!
なつ
…あのなぁ、俺らは別に邪魔とか思ってねぇから。
らん
でも俺高校生…
いるま
俺らは、お前が高校生だからって邪魔だとは思わねぇ。
いるま
確かにバレたらヤバいけど、お前が家に帰っても良いって思うまではここに居ろよ。
確かにこいつは家出した高校生だ。

それでも、性格はそこまでヤバいわけじゃない。


ほんとにきつい理由があって、家出をしたんだろう。


…なら、こいつがそれを思い直すまで居させればよい。

らん
……!そう、ですか。
するとらんは、少し吹っ切れたような表情になった。




こうして、俺らに一人の高校生お手伝いさんが出来た。

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