第52話

autumn
495
2023/03/22 01:12
次の日 なかなか寝れなくて早朝に家を出た。

誰よりも先に教室に着いて 机に座りスマホを眺めては突っ伏したりを繰り返していた。


平野紫耀
平野紫耀
あ、やっぱり居た
あなた
あなた
紫耀くん!?お、おはよ
平野紫耀
平野紫耀
おはよ。ジンに聞いたら先に行ったって言ってたから…
あなた
あなた
あ…ごめん…
平野紫耀
平野紫耀
んーん。
めちゃくちゃ気まずい。

紫耀くんが前の席に座り 荷物を置くと クルッと後ろを振り向いて 私の顔を覗き込んできた。
あなた
あなた
…?
平野紫耀
平野紫耀
……あなた もう 俺の事振ってよ。今日1日ずっと あなたのそんな悲しい顔させとかなきゃいないのは 俺も辛いから。
あなた
あなた
え……
平野紫耀
平野紫耀
あなたのこともっと好きにさせたかったんだよ、デートも沢山して 一緒に帰って この先もずっと隣に居たかった。
あなた
あなた
……っ
平野紫耀
平野紫耀
……叶うなら あなたの瞳には 俺だけ映っていて欲しかった…っ…
あなた
あなた
…紫耀くん、涙が…
平野紫耀
平野紫耀
…俺はいいから。
紫耀くんの目から涙がこぼれ落ち 慌ててポケットからハンドタオルを出すと 手で拒否された。
あなた
あなた
紫耀くん…ごめん。私は今まで ちゃんと恋をした事が無くて何も分からなかった。でも 私の中の紫耀くんはちゃんと王子様だったんだよ。ほんとに…
平野紫耀
平野紫耀
うん…わかってるよ、あなたは素直で正直だから笑
あなた
あなた
ごめ…っ…ホントに…
平野紫耀
平野紫耀
……ほら。行って?アイツ もうすぐ校門着く頃だから。
あなた
あなた
え…アイツって…
平野紫耀
平野紫耀
俺もそこまで鈍感じゃないよ、鈍感だったのは 海人とあなただけ!笑
紫耀くんに椅子から立たされ 教室から廊下に閉め出された。



廊下の窓をふと見ると 校門の方にイヤホンで音楽を聴きながら登校してる海人くんがいた。
あなた
あなた
あ…
目が合い 笑顔でヒラヒラと手を振ってくる海人くん。
ホントにずるい。


これだけで 私の心は好きの気持ちで溢れてしまう。


気づいたら 勝手に走り出していて 昇降口で海人くんと鉢合わせになった。
髙橋海人
髙橋海人
おはよ!どしたの?今日めっちゃ早くない?
靴箱に靴をしまい 上履きを履く海人くん。
あなた
あなた
……っ…おはよ!
髙橋海人
髙橋海人
あ、髪留め付けてくれてる〜かわいい!
海人くんが買ってくれたキンモクセイのドライフラワーのレジンが付いたヘアピン


朝付けていこうか迷ったけど 結局付けてきた。
あなた
あなた
あ、ありがと///
ポンポンと頭を撫でられると そのままいつもみたいに教室のある階へ上がっていく海人くん
あなた
あなた
あ、待って!
髙橋海人
髙橋海人
ん?
あなた
あなた
えっと…
なんて切り出そう。


タイミングが今が正解なのかもわかんないけど…


今なら言える気がする。



朝早すぎて 誰もまだ来てないし…
あなた
あなた
海人くん!あのね…

プリ小説オーディオドラマ