第9話

輝く景色
23
2021/08/26 00:54
時刻は6時頃


夕方になり空がオレンジ色になっている


茉優菜はまだ俺の病室にいる


俺の病室でゴロゴロしていると、突如、茉優菜は飛び起きた
桜木茉優菜
ねぇねぇ!海行きたい!
茉優菜は目をキラキラと輝かせて俺に言った
新井優
海か、行ったことないな
俺はずっと病室にいたから海なんて行ったことがなかった
桜木茉優菜
ねぇ!一緒に行こ?
新井優
いいけど今日はもう遅いし、明日にしない?
桜木茉優菜
うん!そうする!
新井優
ていうかさ、茉優菜はこんな時間までいて大丈夫なのか?
新井優
親とか心配するだろ?
この一言を発した途端、病室が静かになった


少し間を空けて茉優菜は言った
桜木茉優菜
…大丈夫!家すぐそこだから!
新井優
そうか
桜木茉優菜
じゃあ、また明日ね!
新井優
おう、またな
ガラガラガラ…バタン


病室に俺だけが残された


俺は今までの茉優菜との会話を思い出していた


そういえば、茉優菜は自分の話をあまりしていなかった


あんだけ俺の話はするくせになんでだろう


そんなことを気にしつつ、眠った









〜次の日〜
桜木茉優菜
いやぁ、晴れてよかったね!
新井優
あー、暑すぎ
桜木茉優菜
いーじゃん!海に入ろーよ!
新井優
へいへい
俺たちは水に入った


冷たくて今の暑い夏には気持ちよかった
桜木茉優菜
おりゃっ!
新井優
おわっ!
バシャバシャと水音が鳴る


茉優菜は俺に水をかけてきて、俺はぬれてしまった
新井優
このやろ…やりやがったな!
桜木茉優菜
キャッ!冷たい!
俺も負けじと茉優菜に水をかけた。


二人でビショビショになるまで遊び、海の家でご飯を食べた。
砂浜で砂のお城を作ったりするなど俺たちは海を満喫した


夕方になった頃、空はオレンジ色になり、海もオレンジになった。
見る景色がオレンジ色に輝いていて、きれいだった。
桜木茉優菜
きれいだね!
新井優
うん。きれい
桜木茉優菜
優…?どうし…
新井優
ねぇ
新井優
茉優菜は、なんで、自分の話をしてくれないの?
桜木茉優菜
…え?
新井優
俺は、茉優菜のことをあまり知らない
新井優
知っていることといえば、医療に興味があることとかそれくらいだ
桜木茉優菜
………
新井優
茉優菜の家族とか住んでる場所も何もかも知らない
新井優
教えてくれないの?
桜木茉優菜
………そんなに知りたい?
新井優
うん
桜木茉優菜
…わかった。明日、教えるよ
新井優
ありがとう
桜木茉優菜
じゃあ、暗くなる前に早く帰ろう!
新井優
うん
茉優菜は困ったように俺に言った


茉優菜に迷惑をかけてしまった。そう思ったが知りたかった。


茉優菜のことをもっと知りたい。


そんな自分がいた。

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