時刻は6時頃
夕方になり空がオレンジ色になっている
茉優菜はまだ俺の病室にいる
俺の病室でゴロゴロしていると、突如、茉優菜は飛び起きた
茉優菜は目をキラキラと輝かせて俺に言った
俺はずっと病室にいたから海なんて行ったことがなかった
この一言を発した途端、病室が静かになった
少し間を空けて茉優菜は言った
ガラガラガラ…バタン
病室に俺だけが残された
俺は今までの茉優菜との会話を思い出していた
そういえば、茉優菜は自分の話をあまりしていなかった
あんだけ俺の話はするくせになんでだろう
そんなことを気にしつつ、眠った
〜次の日〜
俺たちは水に入った
冷たくて今の暑い夏には気持ちよかった
バシャバシャと水音が鳴る
茉優菜は俺に水をかけてきて、俺はぬれてしまった
俺も負けじと茉優菜に水をかけた。
二人でビショビショになるまで遊び、海の家でご飯を食べた。
砂浜で砂のお城を作ったりするなど俺たちは海を満喫した
夕方になった頃、空はオレンジ色になり、海もオレンジになった。
見る景色がオレンジ色に輝いていて、きれいだった。
茉優菜は困ったように俺に言った
茉優菜に迷惑をかけてしまった。そう思ったが知りたかった。
茉優菜のことをもっと知りたい。
そんな自分がいた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!