本当、壱馬と付き合ってる時は大変だったなぁ。
どこにいても
「川村が暴れてるんだよ!止めに来てくれ〜。」
なんて、しょっちゅう泣きつかれてた。先生に。
しかも、授業中に!!!
おかげで授業がわからなくなって大変だった。
でも、もうそれから開放される。
嬉しいけど、つらい。
だって、壱馬のこと、大好きだから。
そんな乙女チックなこと考えたら
「おい。お前か?川村壱馬の彼女っていうのは。」
怒り気味に言うと、後退りした不良4人。
「しっ質問を変える。」
「藤井夏恋はお前か?」
そう言ったら、ニヤッと笑って
「来てもらおうか。」
なんて取り囲まれた。
ふぅ〜こんなことにも慣れちゃった私ってどうしようもない気がする。
手を伸ばしてきた男の子を掴んで、背負い投げする。
って、何度か喧嘩?してたけど?やっぱり4対1は無理だった。
「あっさり捕まってくれたらそんなケガしなくて済んだのにな。」
私が連れてこられたのは、どっかの倉庫。
そう挑発したら
「ふざけんじゃねーよ!!!」
お腹を蹴られた。
「おい。川村に電話しろ。」
そう言って私のスマホを出した。
「はあ?お前それでいいのかよ。」
いいのかよって、
あいつは私の事好きで付き合った訳じゃないんだろうし。
「じゃあ俺がかける。」
借りるぞって、本当に電話をかけ始めた。
どうせ出ないし、出ても来ないし。
「ああ。早く来ねえーと危ねーぞ?」
なんて言う声が聞こえた。
は?出たの?
今まで1回も出なかったくせに。
「出たぞ。」
ぱっとドアの方を見たら、息を切らしている壱馬が、立っていた。
「来たな。」
どうして来るの?
私の事好きじゃないくせに。
なんて壱馬が言った瞬間
「おお!!」
なんて、でかい声が聞こえてきて
どどどどーーって感じで男の軍団が入ってきた。
殴り合いが始まる。
私はどうすればいいのか分からずその場でただボーッとしてたら
なんて、初めて私の名前を呼んだ、壱馬。
なんでこういう時に名前呼ぶかな?
従わざるおえなくなるじゃん。
無言で頷く。
そう言って外に連れ出された。
壱馬は、喧嘩の中にさっそうと走っていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!