無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第5話

💜
保健室から出て教室に走る。




倒れたせいか、頭がクラクラする。




だけどそんなの気にしていられない。




樹と女の子の絡みなんて見たくない。




屋上まで走って、息を切らしながら、その場にしゃがみこむ。




樹は追いかけてくるわけが無い。




わかってる。




なのに……。




追いかけてきてって、願ってる自分がいる。
石井杏奈
石井杏奈
はははっ。バカだなぁ私。
泣かないって決めたのに……。




頬に涙が流れた。





















「ファイトー!」




そんな声が聞こえてきて




あぁ、寝てたんだって思った。




辺りは夕暮れで、放課後だってことを教えてくれた。




泣きすぎたせいで目が痛い。



石井杏奈
石井杏奈
グスッ。ヤバい、風邪……かな?
鼻水をすすりながら、屋上のドアノブに手をかけようとしたら
藤原樹
藤原樹
杏奈ー!!!
なんていう、俺様な声が聞こえた。




そんな訳……って思ったのに、反射的にタンクの後ろに隠れた。




"バタンッ"
藤原樹
藤原樹
杏奈?!
樹の声が近い。




"杏奈"って呼ばれたの久々だなぁ……。
藤原樹
藤原樹
クソッあいつどこにいんだよ!!あいつぜってぇ風邪ひいてる。
なんて言う樹の独り言。




なんで風邪ひいてるなんて分かんのよ……。




"バタンッ"




樹が出ていったのを確認して、タンクの後ろから出る。




ドアを背にして
石井杏奈
石井杏奈
もう少しここにっ?!?!
居ようって続けるつもりだった。
藤原樹
藤原樹
っ、見つけた。
続けられなかったのは




樹に後ろから抱きしめられたから。
石井杏奈
石井杏奈
な……んで?
藤原樹
藤原樹
分かるにっ、決まってんだろ。
どうして、わかるのよ……




どうして見つけるの?
藤原樹
藤原樹
お前体弱いんだから、長時間外にいるなっ
相当探してくれてたみたいで、すごい息が切れてる。
石井杏奈
石井杏奈
そ……んなのっ、樹に関係ないっ!!
さんざん泣いたのに、また涙が溢れてくる。
藤原樹
藤原樹
なんで関係ないんだよ。
向き合わされながら、顔を覗き込まれながら聞かれる。
石井杏奈
石井杏奈
だっ……て
だって彼女って自信がない。




だって樹デートしてくれた?




帰るのだって……。




ねぇ、もう限界なの




言葉、欲しいよ。




だけどさ




言ってくれないのわかってる。




だからさ






石井杏奈
石井杏奈
別れ…………て。










もう、終わりにしよう?





藤原樹
藤原樹
………………は?


一拍置いて返ってきたのは、気の抜けた声。
藤原樹
藤原樹
意味……わかんねぇんだけど。
樹の顔を見たら、傷ついたような、苦しそうな顔をしていて……
石井杏奈
石井杏奈
……だって、
それ以上、言葉が出ない。




だって、はい遊びでした。なんて言われたら立ち直れないよ……。
藤原樹
藤原樹
別れてなんてやらねーよ。お前は俺のだ。俺が嫌いになったのか?龍ってやつの方がよくなった?
捨てられた子犬のような顔をする樹。




だから、力いっぱい首を横に振る。
藤原樹
藤原樹
じゃあこの間の後輩か?
石井杏奈
石井杏奈
違うよっ!
樹は何を言ってるの?




なんで私が、龍とか慎くんを好きにならなきゃいけないの!?




私が好きなのは……
石井杏奈
石井杏奈
私が好きなのはっ、樹だよ!!
だけどっ、半年付き合ってて一緒に帰ったのなんて、この間が初めてだしっ。遊んだことだってないっ。

他の女の子には笑顔なのにっ、私には怒り顔っ。この間だって、いきなり慎くんから離したと思ったら怒ってるしっ!!
ぎゅっと抱き寄せられる。
石井杏奈
石井杏奈
樹が何考えてるかわかんないっ。
私はっ、ただの道具?女の子を引き付けないための道具?
樹は……



誰を想ってるの?
教えてよ。




あなたが何を考えてるのか。




あなたが誰を想ってるのか。




傷つく覚悟はできてるから。




ふられる覚悟もできてるから。




ただ素直に




あなたの事を教えて?
藤原樹
藤原樹
…………はぁ。
深い、深いため息。




めんどくさいって思われた。




形だけの彼女だもんね……。




そっと離れようとしたら
藤原樹
藤原樹
何も伝わってなかったんだな……。
はぁ。仕方ないか。
俺が言葉足らずだったんだ。


わかった。今から恥ずいこと言う。
けど、逃げんなよ。
石井杏奈
石井杏奈
樹の気持ちが聞けるならそれでいい。
素直な気持ちを口にしたら




これだから無自覚は困るんだよ




って樹に、ため息をつかれた。