第6話

決意
8,184
2020/03/08 10:26
相澤 消太
彼女は雄英体育祭の救護係だから、早朝から忙しそうにしてたからな。来れないのも無理は無いし、オールマイトなら尚更だ。俺もそろそろ行く。
あなた

相澤 消太
後、生徒達に…言われた通り、全部話したぞ。
あなた

『ギュゥゥッ…』

思わずベッドの掛け布団カバーを強く握り締めてしまう。


もし私に何かあった時は1-Aの皆に全てを話して欲しい、


と前々から相澤先生にお願いはしていた。


しかし、いざ話したとなると、かなり心に迫りくる苦しいものがある。
あなた

…っ、、、本当に…話したんですね、全部…、


私が絞り出す様な声で口を開いたのを黙って見ていた相澤先生は低い声で答えた。
相澤 消太
ああ。
あなた

…そう、ですか………



「皆、どんな反応してましたか?」とも、
「私が居ない間はどんな様子でしたか?」とも、


何も聞けそうになかった。

ただ、ありきたりな言葉を返すだけで精一杯だった。



『皆を守る』だなんて綺麗な言い訳を付けて、
実際は皆を騙していたというのが真実ある以外、他の何でもない。


嫌われても、

もう会いたくないと言われても、

軽蔑されても、

何を言われようとも、


文句は言えないのは痛い程分かっていた。




私は約束も守れなければ、綺麗事の言い訳を掲げて皆を騙す。

最低だ。



最低な────






脳内で吐き出される言葉に詰まった私は目を細めた。


(まだ、『クラスメート』の類に入れて貰えてるのかな………きっと、『友達』のカテゴリーにはもう入ってはいないのだろうけど。)
相澤 消太
…もし今日お前が学校に来るなら、覚悟しておいた方がいい。
あなた

相澤 消太
中途半端な気持ちで今の彼奴らに顔を出すな。彼奴らと全力で向き合う決意をしてから来る事を勧める。
あなた

…はい。

たとえ、

もし彼らが私に手を伸ばしてくれたとしても…



私がした事を無かった事には決して出来ない。



いや、絶対に


あなた

決意は既にしています。



私自身がしない。


相澤 消太
…なら良い。ここ暫くはスムーズには事がなかなか進まなくなるぞ。特にお前の場合は。
あなた

はい。

相澤 消太
メディアは今、全力を駆使してお前を探しているし、ヘロインはさておきジッパーの案件は片付いていない。
あなた

はい。

相澤 消太
それに、今回お前がした事の評価は決して褒め称えられる様なものだけじゃない。寧ろ批判的に見られる事もある。
私はそこで初めて知った。

基本、ヒーロー免許を持たない者が個性を行使してヒーロー活動をするのは許されないという事を。


そして、

それは今回の私に該当するという事を。


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