第11話

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2019/10/10 15:07
慎
...今日は一緒にいよ?
いつの間にか、私の目は涙で何も見えなくなっていた。

頭がぼーっとしていた。

私は涙を隠すために慎は周りの人と私を遮るように立った。

何も言えなくて、

何も言いたくなくて。

陸。

言わないように、

思い出さないように、

心の中に封じ込めていた名前。

彼の名前。


慎
.....れを...て、...俺を見て。
その時、強く芯のある声が、

私だけを見つめる瞳が、

私を彼の前へと呼び戻した。
慎
俺を見て。
彼はもう一度、

落ち着いているけど少し怒りを含んだような声で、

真剣な眼差しで、

私に向かって言った。
You
You
わたし...
慎
今日は俺と一緒にいて
You
You
でも...
慎
今日は一緒にいよ。
一緒じゃなきゃダメなんだよ
悲しげに、壊れそうに慎は言った。
You
You
分かった...
ごめんね。ごめん。ごめんなさい。

誰に向けて言ったのか、

きっとみんなだろう。

私はまだ、誰とも向き合えていないのだから。



私たちは黙ったまま歩き始めた。

離れた手と手。

さっきよりも遠く感じる君の背中。

悲しそうな慎の瞳を思い出しながら、

重い足を引きずるように歩く。

その時、彼の手が私の手に絡まった。
慎
離れないで
彼の声は、少し震えていた。

何かに怯えるようで、怖がっているようだった。

温かい慎の手を優しく握る。

あなたは、何を考えているんだろう。

なんで私なんかの隣にいてくれるんだろう。

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