第34話

☺︎
800
2019/10/26 02:02
あなた side 
つめたい空気が頬を伝う。

もう少しでクリスマスがやってくる。

街中はその日が迫るにつれていっそう華やかに、

きらびやかになっていた。

大きく息を吸うと澄んだ透明な空気が私までも透明に空気が、

私までも透明にしてしまうかのように体の隅々まで染み込んだ。

吐息は白く前に現れて、静かに消えた。


言葉に出して言えるくらいまで何度も繰り返して読んだ陸の手紙は、

陸と過ごした記憶と共に大事にしまった。

私の心の引き出しは、

もういた何かを取り出してもいいくらい綺麗に整頓されていた。
You
You
気持ちいい朝。
小さく伸びをすると、

彼がどこかで見ているような気がして自然と笑みがこぼれた。

どこからか流れてくるクリスマスソングのメロディーは、

私の温かい記憶を思い起こさせた。

口ずさみながら、

ゆっくり歩みを進める。



_____大切な人のもとへ。

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