志麻side
前を走るセンラ。
その背を追いかける俺。
ふいに呼んでみた時の、センラの振り返り方。
優しく笑いかけてくれてて、太陽に照らされて輝く金髪。
それが全部好きだって思ってるって、いつか白状をしよう。
センラside
よかった間に合った。
セーフ!!!!
今日の体育は…バレーか!志麻得意やなぁ…
『志麻〜!ジャンプサーブやってくれよ!』
志麻が渋々コートから出てボールを上に投げた。
右足から前に出て左足で踏み切る。
誰もが見惚れる綺麗なフォーム。
バシンッ!
周りからの歓声。
志麻は少し恥ずかしそうに俺のところへ戻ってきた。
こんな他愛もないやり取りの積み重ねが、思い出になってく。
あぁ…しまった。この瞬間も愛しくなってる。
ニコッと明るく笑って志麻が去っていった。
『センラと会う日は俺忘れないよ。』
…馬鹿だなセンラ。
大丈夫だよ。志麻は遠くに行ったりなんてしない。ずっと俺の親友でいてくれる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。