第5話

忘れないから。
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2021/10/11 12:08
志麻side
黄百合 センラ
黄百合 センラ
そーいや、もうすぐ修学旅行やねぇ…同じ班なろうな!
浦田 志麻
浦田 志麻
そりゃあもちろん!
て、あぁ!次体育やんけ!!!!
黄百合 センラ
黄百合 センラ
やば!はよいかな!
前を走るセンラ。
その背を追いかける俺。
浦田 志麻
浦田 志麻
…センラ。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
ん?
ふいに呼んでみた時の、センラの振り返り方。
優しく笑いかけてくれてて、太陽に照らされて輝く金髪。
それが全部好きだって思ってるって、いつか白状をしよう。
センラside
よかった間に合った。
セーフ!!!!
今日の体育は…バレーか!志麻得意やなぁ…
『志麻〜!ジャンプサーブやってくれよ!』
浦田 志麻
浦田 志麻
やだよ。無理。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
ええんやない?やったれよ。
浦田 志麻
浦田 志麻
んぅ…眼鏡持ってて。
志麻が渋々コートから出てボールを上に投げた。
右足から前に出て左足で踏み切る。
誰もが見惚れる綺麗なフォーム。
バシンッ!
周りからの歓声。 
志麻は少し恥ずかしそうに俺のところへ戻ってきた。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
ほい。かっこよかったで。
浦田 志麻
浦田 志麻
俺普通のサーブの方が得意。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
でもかっこええやんけ。
浦田 志麻
浦田 志麻
もう。
こんな他愛もないやり取りの積み重ねが、思い出になってく。



あぁ…しまった。この瞬間も愛しくなってる。
浦田 志麻
浦田 志麻
はぁぁ疲れたぁ。
なぁセンラ。どっか行くってはなしてたやん?
黄百合 センラ
黄百合 センラ
おう、そやね。
浦田 志麻
浦田 志麻
いつがいい?俺いつでもええよ。
黄百合 センラ
黄百合 センラ
じゃあ来週の日曜。あ、そんな遠かったら忘れてまうか!
浦田 志麻
浦田 志麻
昨日考えてたことは忘れちゃうけど、センラと会う日は俺忘れないよ。
ニコッと明るく笑って志麻が去っていった。
『センラと会う日は俺忘れないよ。』
…馬鹿だなセンラ。 
大丈夫だよ。志麻は遠くに行ったりなんてしない。ずっと俺の親友でいてくれる。

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