ジョンハンさんと約束した日から
私は言われた通り
毎日みんなが居る練習室に移った .
スニョンさんのイライラが
私のせいで募っているのか
休憩があまりないままぶっ通しの練習が
続いてしまうことも多くなった .
これに関しては
申し訳なさでいっぱいだった .
さっき練習室を出ていったスニョンさん
そのおかげで少しだけ練習が止まったから
今はみんなが疲れ果てているところ .
もちろん私もやばい .
多分私のせいなんだろうけど
そんな事ないと不器用ながらに
否定してくれる彼の優しさが
少し傷ついた心を癒してくれた .
そう言って静かにこの場を去るソクミン .
反論したあと喉に水を流し込むジョンハン
私もソクミンに貰ったお水を
開けて喉を潤す .
私がキャップを閉めた頃 ,
ドン という音がして
扉がしまったことを知らせた .
戻ってきたスニョンさんに
静かにそう伝えるジフンさん .
そう言われ何を思ったのか
ギュッと握り拳を作るスニョンさん .
私が出ていけば変わる .
きっと今まで通りになる .
でも , 今の私はもう逃げない .
もう逃げられない , に近いけど …
淡々と言葉を漏らすスニョンさんに
ジフンさんが怒ったような態度をとる .
彼らの言い合いがヒートアップすることが
容易に想像できるからか
スンチョルさんが立ち上がり呼びかけた .
俯くスニョンさんに
怒るのではなく比較的優しい声で
伝えるスンチョルさん .
男12人 , 女の私が1人 .
私も仲間に入れて数えてくれる
スンチョルさんに
私はどうしても感動してしまった .
そう言ってスンチョルさんは
冷たそうな未開封のお水を
スニョンさんに渡し ,
背中を押しては練習室から彼を追い出した .
そう言ってジフンさんの頭を
優しく撫でたスンチョルさんは ,
私たちに ,
もう今日の練習は終わりにしよう , と
そう言って練習室を閉めた .
解放されてすごく気持ちが楽になったけど
私がどこか追いつけてないから
スニョンさんが怒ったのかもしれない .
そう考えると , またひとりで籠って
練習せざるを得なかった 、
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。