あなたside
あなた「...そうなんですね」
阿部「うん、じゃああなたちゃんは?」
あなた「私はいたっていうのが正しいですかね」
阿部「そうなんだ...」
そんな会話をしているうちに家の前に着いてしまった
あなた「わざわざ家まで送っていただいてありがとうございました(*^^*)」
阿部「全然、また色んな話出来て楽しかったし」
きっと阿部先生に会うのは最後のだからとにかく笑顔でいることを頑張っているけど絶対に上手くできてない
阿部「じゃあまたね、改めてみんなで卒業パーティーしようね」
あなた「ありがとうございます、でもごめんなさい」
阿部「えっ...なんであやまるの?」
あなた「私、大阪の大学に行くんです。明日行きます。だからもう会えないんです」
阿部「えっ....」
あなた「今まで黙ってごめんなさい。阿部先生に出会えてよかったです。色んなこと教えてくださってありがとうございました」
阿部「......」
あなた「本当にありがとうございました、じゃあ(*^^*)」
阿部先生を見たら涙が出そうだったからすぐに家の中へ入った
あなた「はぁ.....」
ラウごめんね、私に勇気をくれたのに何も出来ずに終わっちゃった
沢山話も聞いてもらったり自信もつけてもらったのに
阿部先生ごめんなさい、もっとちゃんとした別れ方あったよね
最後の最後にあんな態度でごめんなさい
何も出来なかった自分に腹が立つ
あなた「もう....なんで...グスッ..」
ドアにもたれかかりながら床に座る
この後ろにまだ阿部先生はいるのかな
いや、もういないだろうな
蓮「あなた?」
あなた「...お兄ちゃん..」
そうか、なんだかんだ言ってお兄ちゃんが1番協力してくれてたんだ
ごめんなさい
そう思うと涙が止まらない
あなた「お兄ちゃん...グスッ..ごめん...グスッごめん....」
蓮「どうした?」
そう言いながら優しく私の背中をさすってくれる
あなた「お兄ちゃんが..グスッ....1番協力して..グスッくれたのに...ごめんなさい..グスッ」
蓮「大丈夫...泣くなって」
それからもう何もできず疲れて寝てしまった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。