阿部side
あなたちゃんが塾をやめてからなんだか毎日物足りなく感じてた
なんでだろうって考えた時に思い出したのは
「阿部ちゃん、あなたちゃんのこと気になってんじゃない?」
ってふっかに言われた時のこと
あの時そう言われてあなたちゃんのこと好きなのかどうか考えた
たくさん考えて出した答えは
『好きじゃない』
でも正しく言ったら『好きじゃないって思いたかった』になるのかな
だってまだ中3の女の子だよ?
あなたちゃんから見て俺なんかおじさんだし、もしあなたちゃんのこと好きだったら気持ち悪いでしょ?笑
だからその時はあなたちゃんのことは考えないようにしようって思ってた
それからあなたちゃんが塾をやめて会わなくなるからもう忘れてなかったことにしようって思った
けど、あなたちゃんのこと忘れるなんて出来なかった
忘れられなかった
だからさっきあなたちゃんに会えたことがすごくうれしかった
なんか大人っぽくなってて
ドキッとして
だからまた
『あなたちゃんのこと気になってんじゃない?』
って言葉を思い出してしまった
阿部「っとギリギリセーフ...」
深澤「おっきたきた!いつもより遅いから心配してたんだよ!」
阿部「ごめんごめん笑」
深澤「なんかあったの?」
阿部「ちょっとね...//」
気になってた子に会えたから
なんてふっかに言ったら笑われるかな
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。