第85話

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2021/09/13 08:32


あなたside







あなた「2時16分のは...あれだよね?」



蓮「うん、あってる」







お父さんとお母さんは絶対に泣いて見送れないって言うから家でお別れして、お兄ちゃんに駅まで送ってもらった






あなた「じゃあもう行くね?」



蓮「うん」



あなた「...なんか色々ありがとう、なんだかんだでお兄ちゃんにたよってたから」



蓮「なんだよ急に笑」



あなた「何照れてんの?笑」



蓮「うるさい//」



あなた「みんなによろしくね、じゃあまた」



蓮「うん、がんばれよ」










お兄ちゃんと最後のお別れをして改札口へ向かった



ちょっと泣きそうだったけど頑張ってこらえた























蓮「あっ!」




後ろからお兄ちゃんの大きい声が聞こえた





あなた「何?」



お兄ちゃんが私の方に走ってくる












蓮「そういえば大学受かったお祝いまだ渡してなかったと思って」



あなた「今?なんで笑」








大学受かったお祝いすごいねだってたのに私がすっかり忘れていた笑





お兄ちゃんはカバンの中をあさって白い封筒を取り出した










蓮「はい、お祝い」





あなた「なにこれ?」






蓮「まぁ見てみな」










少しクシャッとなった封筒




封をあけ中身を取り出すとそこには新幹線のチケットが入っていた















あなた「えっ?もしかして私チケット忘れてた?」



蓮「違うよ」






私はちゃんとカバンの中にチケットを入れたはず




そう思いカバンの中を探すと2時16分発の新幹線のチケットが出てきた



なぜお兄ちゃんが私のお祝いにチケットをプレゼントしたのか意味がわからない














あなた「どういうこと?」




蓮「2時間後の大阪行きのチケット。それが俺からのプレゼント」




あなた「....?」




蓮「あなた本当に忘れ物してない?」




あなた「してないと思うけど...」




蓮「気持ち伝え忘れたりしてない?」




あなた「えっ?」





蓮「忘れ物したまま行ったらやばいでしょ?」





















私の忘れ物











阿部先生に伝えきれなかった気持ち

















蓮「あなたにはあと2時間ある」





あなた「お兄ちゃん...」





蓮「早く忘れ物取ってこい」













私は世界で1番最高のお兄ちゃんを持ったのかもしれない




いや、持ったんだ










蓮「ちなみにラウールが阿部ちゃんは今塾にいるってメール来たけど」



あなた「ありがとうお兄ちゃん」



蓮「とにかく早く行け」



あなた「うん、分かった!行ってくる!」








お兄ちゃんに荷物を預け全力で走って駅を出た




するとカバンの中で携帯がなった



画面を開くと






『りょうへい
待って、まだいかないで』


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