阿部side
深澤「おぉ!阿部ちゃん今日早いね」
阿部「何もすることなくて早く来ちゃった笑」
着てきたコートをロッカーに入れ、マナーモードにするためにカバンからスマホを出した
画面にLINEの通知が表示されていた
阿部「あなたちゃんだ」
最近話してないから忘れられてんじゃないかって不安だったから安心した
いつも携帯はカバンの中だから塾内で使うことはないけど返信するために携帯を持って出た
イスに座ってLINEを開いた
まだ内容を読んでなかったから少しドキドキする
阿部「数学か...」
あなたちゃんやっぱり数学苦手なんだ
中学生の頃も苦手だったんだよね
あなたちゃんから送られてきた問題をノートに解いて写真に撮って返信した
深澤「なにしてんの」
阿部「びっくりした!いきなり出てこないでよ笑」
深澤「えっ?ごめんごめん笑することないから笑」
阿部「あの、することないからっていきなり出てこないでもらえる?笑」
深澤「何これ?問題解いてたの?」
阿部「あぁ、教えてって言われたから」
深澤「ふ〜ん...ってこれ高校の内容じゃない?阿部ちゃん中学生しか教えてないじゃん」
阿部「あー...あのさ目黒あなたちゃんって覚えてる?」
深澤「あなたちゃん?覚えてるよ?」
阿部「あなたちゃんに教えてって言われたから解いてたの」
深澤「なんで?!あなたちゃんと会うの?!」
阿部「まぁ少し。他にも大介くんと康二くんと涼太くんと翔太くんとか色々、ラウールくんも」
深澤「まじか!俺とは会わないのに阿部ちゃんとは会うんだ...忘れられたのかも...」
阿部「そんなことないよ笑」
ピロン ッ ♪
ふっかをなぐさめていたら携帯がなった
あなたちゃんからだった
「わかりました!」の文の後にくまがありがとうございます!って言いながらお辞儀するスタンプが送られてきた
阿部「ふふっ笑かわい...」
つい思っていた事がそのまま口から出てしまった
聞かれてしまったっと思ってふっかの方を見ると顔だけで「あぁ〜//」と言いながら去っていった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!