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2020/04/01

第10話

『椿原駿』 ①
百合園 香織
百合園 香織
⁉ な、なに⁉
 それは、大きな物音だった。まるで、タンスとかクローゼットとか。そう言った大きなものが倒れたような音。それを聞いてか、透さんは遠い目をしたあと、静かにため息をついた。
椿原 透
あぁ、気にしないで。駿はあぁやってたまに暴れるんだよ
 いやいや、そんなことを言われましても! めちゃくちゃ気になりますからね⁉ だって、あの物音からしたら絶対に何か壊れたでしょ⁉ それがガラスとかに当たってガラスが割れたりしたら怪我もしちゃうし、防犯上も良くないでしょう⁉
百合園 香織
百合園 香織
……放っておいても、いいんですか……?
椿原 透
……僕が行っても逆効果なんだよ。駿は家族のことを嫌っている。表向きは父さんや煌にい、翔にいと呼んでいるけれど、本当は嫌いなはずなんだよ
 そういって少し俯く透さんの表情は、すごく悲しそうだった。そりゃそうだろう。家族に嫌われるって、あたしにはよくわかんないけれど、辛いと思う。あたしだって、お母さんに嫌われたら辛いし、そもそも生きていけない。
百合園 香織
百合園 香織
……あたし、見てきますっ!
 同い年ぐらいの男子は怖い。でも、このままだったら間違いなく駿君に良くない。

 初対面で「殺す気はない?」的なことを言われたけれど、それでもこれから一緒に住むんだ。怖くても、我慢しないと。

 あたしは透さんを一人部屋に残して、隣の部屋に向かった。
椿原 透
……香織ちゃんは、いい子だね。あの子だったら、もしかしたら――
 なんて、一人部屋に残された透さんが言っていたのは、知らない。