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俺は、あなたの彼女だ。
初めてあった日に一目惚れした。
それまで一目惚れなんて信じなかったのが嘘みたいに、あっけなく恋に落ちた。
それからというもの、毎日アタックし続けた。
結果、中3の春に付き合う事になった。
クロの影響で、俺は音駒に入る事にした。
だから、あなたも音駒なのだと、思っていた。
しかし、彼女は音駒ではなく、烏野を選んだ。
(理由を聞いて納得したけど)
それからは、遠距離になってしまったが、あなたと喧嘩もなく、順風満帆だった。
あなたも、喜んでいたと思う。
毎日楽しく生活できていたと思う。
けど……彼女のお母さんが倒れた。
俺にとっても衝撃だったし、彼女はもっと辛かったと思う。
いつも、バカみたいに周りの心配しているのに、昨日はそれどころか、自分のことすらままならなかった。
そんな彼女に気づいているのに、何もしてあげられることはない。
俺は、隣にいてあげることしかできなかった。
あなたを安心させられる方法がないのか、考えているうちに、病院に着いた。
おばさんの部屋に着いた瞬間、「お母さん!」と叫ぶ所から、彼女の動揺が垣間見える。
……俺が、もっと大人だったら、彼女を安心させることができたのだろうか。
そんなことを考えながら入った病室で、俺は息を呑んだ。
そこには_____
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。