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第5話

お菓子。
ふぅ......
本業とは言え、全力で歌えば少しくらいは汗は滲むもので。
体力の無さが私の弱点の一つだなぁ、とか思う。
あ、そういえば朝ごはん食べてないや。
何かたのもっかなー......

私の目に留まったのはお菓子の山盛りセット。
お菓子っておいしいよね。
太るとか、そんなの気にしちゃ負けだよね。
自らの欲望に負け、タブレットから注文する。

2曲ほど歌ったところで店員さんが来た。
るよな
るよな
あ、日向じゃん。おつー。
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
あなたさん、どーも。
ほんと暇人なんスね。
暇人とは失敬な......
まぁ、日向と顔を合わせる率は結構高いし、そう考えると私は暇人なのか?
え、なんか響きがやだ。
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
じゃ、ここにお菓子おいとくンで。
てかお菓子ばっか食べてんのにふとらないですよね、あなたさんって
るよな
るよな
ふふふ、天才だからね。
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
あ、はい。
冷めた目をしてこちらを見てくる日向。
いやいやいや、事実じゃんね?w

ちょっと待て、無言で立ち去るな。
悲しい。
めっちゃ悲しい。
泣いちゃう。

とか言ってほんとに泣きまねをするのは私の悪いところですよね。
自覚してるんでマシです。
るよな
るよな
...日向のばーか。
今日家に呼んでやろうとしたけどやーめた!
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
戸惑ったように、眉をひそめる日向。
中途半端にドア開けっぱなしにするなよ...とかどうでもいいことを考える。
つぅ、っと頬に液体が伝った感触がした。
あ、私演技派だわ。
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
なんで変なとこでメンタル弱いんスか...。
はぁ、とため息をつき、座っている私と目線を合わせるようにしゃがんでくれる日向。
あえてここで目をそらしてみたりとか、意地悪をしてみる。

...ふふふ案の定慌ててるな。
なんか、罪悪感でてきたなぁ。
やめないけど。
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
泣かないでくださいよ...

俺減給とかになるの嫌なんスよ。
るよな
るよな
理由がそんなのじゃいやぁ...
どうだ、甘い声攻撃は!
普段じゃあり得ないような甘ったれた声で母音を伸ばす。
あれ、ぶりっ子みたい。
日向はカラオケルームに入ってきて、ゆっくりとドアを閉めた。
私のしゃくりあげる声だけが聞こえる空間。
その空間はなんだかちょっと変な心地がした。

さっきよりも深くため息をついて、日向が口を開けた。
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
俺、女性泣かせたくないんです。
あなたさんの格好がいくら男性っぽくたって、あなたさんは女性なんですからね。
あと、あんまり甘えてこないでください。
俺だってオトコなんで。
雰囲気が一変した。
頼りなくって、気怠る気だったのに一瞬で男性だと強く認識させられた。
こんなの初めてで、身体が硬直して動かなくなった。
え、うん。うん、なんかごめんなさい。
自業自得な感じですね、今回ばかりは。

取り敢えずは日向の言葉にうなずいておこう。
るよな
るよな
うん、分かった......。


るよな
るよな
日向ぁ、今日何時にバイト終わるの?
やば、嘘とは言え泣いていたから、口調が......
キャラじゃないっての...
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
今日?今日は13時まで。
どうしたんスか?
にやにやしながら聞いてくる。
こいつ絶対分かってやってんだろ...。
るよな
るよな
家来てよ。
一ノ瀬 日向
一ノ瀬 日向
はいはい、待っててくださいネ。
勿論!といい返事をすると、満足そうに微笑んで日向は仕事に戻った。
日向、普段はへらへらしてるけど結構かっこいい時もあるんだよなぁ。
まぁ恋愛感情なんて一切ないけど。
日向、誰かに声似てるんだよなぁ...
イケボだからなぁ、歌い手さんに似てるのかも。

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